42提言を長官に手交、観光立国の実現に向けて(観光立国推進協議会)
オールジャパン体制で観光立国の実現を目指すため、さまざまな産業の企業や団体のトップ100人が参画する「観光立国推進協議会」(委員長=山口範雄日本観光振興協会会長)は1月20日、東京都内で2回目の協議会を開いた。このなかで観光立国実現に向けた42の提言を発表し、山口委員長が観光庁の久保成人長官に手渡した。
山口委員長は「観光立国実現のため、提言が少しでもお役に立てればと思う」とし、「お集まりの皆様はまさに観光立国の担い手。実現に向け、強く連携を進めるとともにさまざまな場面での支援、協力をお願いしたい」と呼びかけた。
久保長官は、観光による国内外から地方への交流人口の拡大は地方創生の観点からも重要だと強調。「15年度の補正予算では4千億円を超える地方創生のための交付金が新たに設置されている。地方自治体と地域の観光関連産業が密接に連携し、この交付金を観光に最大限活用していただきたい」と呼びかけた。
昨年1月に設立した協議会は、観光関連企業だけではなく、全国知事会や日本経済団体連合会、日本商工会議所、流通・小売、金融などのトップが集まり、観光立国実現に向けた国民運動を広く展開している。昨年は全国各地でのタウンミーティングや一般を対象にしたフォーラムなどを開催。また協議会委員に、観光庁が6月に発表したアクション・プログラムに関するアンケートを実施したほか、観光立国に関する国民意識調査を実施。これらをもとに、観光立国実現に向けた提言を作成した。
提言は(1)魅力ある観光地域づくり(2)地域社会の活性化(3)国民意識の向上――を骨子に42項目を挙げた。(1)は、誰もが訪れたくなる観光地域づくりを進めていくため「個性ある観光地域づくり」「観光産業の人材育成」「移動しやすい環境づくり」「ショッピングツーリズムの促進」「MICE誘致対策」「受入環境の整備」のもと、東日本大震災による被災地の復興支援など26の具体的な提言を盛り込んだ。(2)は地域社会の活性化に資するあらゆる需要創出に向け、「訪日プロモーションの強化」「MICE開催の促進」「国内需要の創出」を掲げ、10の提言で構成。(3)は「観光」に対する国民の意識を高めていくため「観光立国実現に向けたアクション・プログラムの周知」「観光に触れる機会の充実」「観光立国実現に向けた国民運動の展開」のもと、6項目の提言をまとめ