【精神性の高い旅~巡礼・あなただけの心の旅〈道〉100選】-その25-猿田神社&満願寺 神仏・吉方位旅(千葉県銚子市) 猿田神社で祓いと道開き 四国と百観音巡礼の満願寺にも
2023年5月5日(金) 配信
ご自身の生年月日に合った九星の良い時期の良い方角へ旅をすれば、開運旅行となります。これは吉方位旅行とも呼ばれ、江戸時代には庶民が方位学の書物を読むことを禁じられていました。それだけ効果が大きいということを語っています。
平安時代では、方角で行く場所を決めたり、やめたりと、方角の吉凶に影響されていました。また、10世紀ごろから、方違えという風習もありました。それは縁起が悪いとされる方角を避けて、別の場所へ1泊し、翌日そこから目的地へと向かうというもの。人々は古くから吉方位というものを自分の人生を幸福に導くため、上手に使っていたのでしょう。
今回の旅先、千葉県銚子市は、東京に住んでいる人から東の方角にあたります。東は良い時期に旅すれば、物事がスピーディーに大発展していく効果が期待できるといわれています。
経営者の中には、ご自身が東の方角が良い時期に、日本から見て東にあたるハワイによく旅をされます。なぜなら、東は商売繁盛の方角でもあるからです。吉方位旅行は距離と滞在時間が長ければ長いほど、開運するとのこと。ハワイなどの海外旅行は距離も長いため、効果もパワーアップします。
その千葉県銚子市の神仏を巡る旅のスタートは、猿田神社。JR総武線の猿田駅から徒歩10分程度で到着。
この猿田神社は、湧き水をいただけることでも人気。本殿の近くや、奥宮でもいただけます。その場で、清々しい森の空気とともに、その湧き水をいただくと、生き返るような心地になれるでしょう。ご祭神は、祓いの神様・道開きの神様として名高い猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)様、猿田彦大神の妻となった天鈿女命(あめのうずめのみこと)様、菊理媛命(くくのひめのみこと)様。
猿田彦大神様が「道開きの神様」として登場する物語は、古事記や日本書紀にも記されています。この世を治めるためにやってきた天照大御神(あまてらすおおみかみ)様の孫にあたる瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)様を宮崎の高千穂へ導いたのが、猿田彦大神様です。
そして、瓊瓊杵尊様のお供として、天から降りてきた天鈿女命様と夫婦になったといわれています。そのような功績により、猿田彦大神様は「物事の始まりに道標となってくれる神様」であると信仰されるようになったのです。猿田彦大神様の総本宮は、三重県鈴鹿市の「椿大神社」。あの松下幸之助氏も信仰していて、神社内には松下幸之助氏をお祀りする「松下社」もあります。
新しい仕事や企画を成功させたい、今まで物事が停滞して一気に流れを好転させたい、こういうときは猿田神社でご祈願されてみてはいかがでしょうか。
さて、次は銚子電鉄の犬吠駅から、徒歩10分程度で到着する、日本各地の巡礼ファンにとって聖地のような存在の満願寺。また、この近くの犬吠埼の朝日は、日本で一番早い日の出としても有名。犬吠埼から約500㍍のところに愛宕山があり、その山上からの展望は、「地球が丸く見える丘」と称され、この愛宕山の東側に1976(昭和51)年に開創されたのが満願寺。
この満願寺は、ご本尊の十一面観世音菩薩様は、願いを叶える観音様として全国から参拝に来られます。また、西国・坂東・秩父・四国の百八十八霊場巡拝を満願成就した人々が、感謝のために各霊場のご本尊を勧請し、左右に24間の満願回廊堂に奉安。
中門を入ると、西国・坂東・秩父・四国、諸国霊場の5カ所の仏足跡お砂場があり、身体健全・病気治癒などの祈願を込めて、お砂踏みができます。なかなか、遠くの霊場まで巡礼できない方は、満願寺に足を運んではいかがでしょうか。
■旅人・執筆 石井 亜由美
カラーセラピスト&心の旅研究家。和歌山大学、東洋大学国際観光学部講師を歴任。グリーフセラピー(悲しみのケア)や巡礼、色彩心理学などを研究。