ユニゾホールディングス、民事再生法の適用を申請 負債は約1262億円(帝国データバンク調べ)
2023年5月1日(月) 配信
ユニゾホールディングス(山口雄平社長、東京都港区)は4月26日(水)、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、同日保全・監督命令を受けた。帝国データバンクによると、負債は約1262億円。
同社は、旧・日本興業銀行系の不動産会社、常和興産のビジネスホテル部門として1977(昭和52)年5月に設立した。2004年3月に常和興産グループの再編に伴い、常和興産と常和ビルディングを吸収合併。ホテル事業は新設のサン・ホテル〈現・ユニゾホテル〉に会社分割し、同社は常和ホールディングスに商号変更のうえ、持ち株会社となっていた。
09年6月に東証2部(当時)へ上場、11年2月には1部指定(当時)となり、15年7月には現商号に変更していた。
同社グループ全体では、不動産およびホテル事業を主力とし、都市部を中心としたオフィスビルの保有および賃貸、「ホテルユニゾ」「ユニゾイン」などビジネスホテルの運営を展開。物件の拡張や取得、ホテルの新規オープンを進めて業容を拡大し、19年3月期には年間収入高約56億500万円、連結決算では年間収入高560億5300万円を計上していた。
19年に入ると、エイチ・アイ・エス(HIS)などによる株式公開買い付け(TOB)の対象となったものの、同社は拒否する姿勢を示していた。その後、米国の投資ファンドのローンスターによる支援を受け、上場企業初となる従業員による買収(EBO)を実施したうえで、20年6月に上場廃止。
しかし、ローンスターから借り入れた約2000億円にのぼる買収資金の返済に伴い、同社グループからの資金流出が指摘されていたほか、コロナ禍でホテル事業も苦戦するなど、資金繰りが悪化していた。この間、保有ビルを売却するなどして、私的整理を前提とした第三者スポンサーの模索を進め、複数の候補先と協議を重ねていたものの、最終的な支援を取り付けるまでには至らないなか、今年5月26日に償還期限を迎える100億円の社債償還原資の確保が不可能となり、今回の措置となった。
なお、4月26日付で日本産業推進機構グループとの間において、スポンサー支援にかかる基本合意を締結しており、「今後同グループの支援の下で再生をはかる予定」(帝国データバンク)という。