観光庁とJATA「今こそ海外!宣言」 各国観光局などと連携し、パスポート取得半額サポートCPなど展開
2023年5月12日(金) 配信
観光庁と日本旅行業協会(JATA、髙橋広行会長)は5月10日(水)、「今こそ海外!宣言」を共同で発出した。また、3月に発表した「アウトバウンドの本格的な回復に向けた政策パッケージ」における重点的な取り組みを実施すべき国・地域について、「当面の重点デスティネーション」として、24の国・地域を選定した。2者は、「#今こそ海外」を共通のキーワードとし、官民一体で海外旅行の機運醸成をはかっていく。
観光庁とJATAは、5月8日(月)に新型コロナの2類から5類相当への引き下げを受け、国内外や官民の関係者と協力に連携し、海外旅行の本格的な回復を目指すため、「今こそ海外!宣言」を共同で発出した。
2022年10月に水際措置が緩和され、訪日外客数はコロナ前の7割程度まで回復した。一方で、日本人の海外旅行は4割弱に留まっており、本格的な回復には至っていない。
両者は、「日本人の海外旅行は、日本人の国際感覚の向上や国際間の相互理解の増進につながる」という認識のもと、安定的な国際関係の構築や、観光・教育・文化などの分野で相互交流をはかる。これにより、国際線の増便や、インバウンドの拡大を目指す。
観光庁の和田浩一長官は、「2類から5類へ引き下げられたこのタイミングで、官民一体となってメッセージを発信することで、機運醸成をはかり、国民の皆様に海外旅行へ行っていただきたい」と話した。
観光庁が選定した当面の重点デスティネーション24カ国・地域は次の通り。
【東アジア】中国、香港、韓国、台湾
【東南アジア】インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム、インド
【北米・中南米】カナダ、米国、ハワイ、グアム、メキシコ
【欧州・中東】スペイン、フィンランド、フランス、英国、ドイツ、イタリア、トルコ
【オセアニア】オーストラリア
□海外旅行促進PJ開始 パスポート取得補助など
JATAはアウトバウンド促進協議会(JOTC、酒井淳会長)の活動の一環として、海外旅行のさらなる需要喚起を目的とした「JATA海外旅行促進プロジェクト」を4月1日(土)から行っている。
同PJの第2弾として、5月15日(月)からは、「パスポート取得費用サポートキャンペーン」と「夏旅Wキャンペーン」を始め、夏休みの海外旅行者の増加をはかる。
パスポート取得費用サポートCPでは、抽選で3210人に10年パスポート取得費用の半額となる8000円分の電子ギフトを付与する。また、応募者全員に対し、海外レンタルWi-Fiを割引で提供する。
JATAの髙橋会長は、インバウンドに比べ回復が遅れているアウトバウンドに対して危機感を示し、「この著しくバランスを欠いた状況を、早急に是正する必要がある」と述べた。
また、目標として、24年の早い段階にコロナ前の水準で2000万人レベルまで近付ける考え。「コロナ禍によって海外旅行の需要そのものが消滅したわけではない。このPJがきっかけとなれば」と期待を語った。