JR各社と連携強める、訪日は個人旅行化に対応、JTB・髙橋社長
JTB(髙橋広行社長)は1月22日、東京都内で2015年新春経営講演会を開いた。今年度は、国内はJR各支社との連携を強め、海外はチャーター・クルーズを切り口に、訪日は個人旅行化への対応にそれぞれ力を入れる。髙橋社長は新年のあいさつで「20年まではグローバル人流の拡大や東京オリンピック・パラリンピック開催など、ビジネスチャンスが到来する黄金の時間だが、何もせずに自然に輝くものではない。グループ170社2万6千人の総力で20年を輝きに変えていかなければならない」と力を込めた。
また、取扱額2兆円、営業利益400億円を目標にした「『長期経営計画2020年ビジョン』の確実な達成」と、「21年以降も飛躍に向けて経営の道筋をしっかり立てること」を社長の使命に掲げた。「東京オリンピック・パラリンピックは将来に向けた跳躍台として位置づけ、持続できる仕組みを作る準備をする必要がある」と述べた。
国内旅行は、3月14日の北陸新幹線開業や山陽新幹線全線開業40周年、今年度末予定の北海道新幹線開業など「鉄旅イヤー」としてJR各社と連携し、企画提案と商品展開に力を入れる。
海外旅行は、チャーターやクルーズなど新たな切り口で海外旅行の需要喚起に取り組んでいく。また、ここ数年低迷している海外旅行を復活させるには中国・韓国マーケットの回復が必要だとした。
訪日旅行は、訪日観光客の増加予測と個人旅行化が進んでいくことを見据え、「皆さんと一緒に対応を考えていきたい」と意気込んだ。
講演には毎日新聞社特別編集委員の岸井成格氏を迎え、「日本の政治・経済のゆくえ」――観光立国実現に向けて――をテーマに現在話題のニュースなどをもとに日本の今後の経済の流れなどを解説した。