台湾観光局など、台湾観光PJを始動 水際撤廃でコロナ前の700万人への回復目指す
2023年5月12日(金) 配信
台湾観光局(張錫聡局長)と台湾観光協会東京事務所(鄭憶萍所長)はこのほど、「2023台湾観光プロジェクト」を始動した。昨年10月13日(木)、台湾で隔離措置が撤廃され、日本でも4月から水際対策を終了したことから、旅行会社にインセンティブを用意し、コロナ禍前の2019年の相互交流延べ700万人を早期に回復させる。
同日に開催した説明会で交通部観光局の張錫聰局長は、日台の観光業界の関係者にコロナ禍でもオンラインなどを通じて、交流を維持できたことに感謝を述べ、「今後は1番大きな市場である日本に期待している。700万人への回復は25年を目標にしたが、インセンティブの活用で、1年前倒しできるだろう」と語った。
また、台北のほかに中部と南部にも魅力的な旅行先があるとして、ツアーに組み込むことを要望。そのうえで、「台湾全土では、コロナ前と同様に安心でフレンドリー溢れる旅行を楽しむことができる」とアピールした。
台湾観光協会の葉菊蘭会長は訪台日本人の回復が訪日台湾人よりも遅れていることに触れ、「『不均衡を解消しなければならい』と考え、インセンティブ制度を創設した」と説明した。
来賓の自由民主党で衆議院議員を務める古屋圭司日華議員懇談会会長は、14年に東京で台湾の故宮博物院の美術品を展示した際、立法措置を講じたことを振り返り、「約70万人が来場した。モナリザでは約90万人が訪れた」と話し、日本における台湾人気の高さについて述べた。そのうえで、「議員懇談会を通じて、色々なセクターに働き掛け、台湾訪問を奨励したい」と語った。
同PJでは旅行会社向けに3つの支援制度と個人に対し、海外個人台湾旅行応援キャンペーンを用意した。
このうち、旅行会社向けの「いくたびふたたび台湾キャンペーン」は天燈スカイランタンや台中以南の鉄道の旅に対し、奨励金額を補助する。2泊3日以上で4~7人の団体に5千台湾㌦(日本円で約2万円)、同じ人数で6泊7日以上は1万台湾㌦(約4万円)を支払う。
また台湾獅子舞や古典音楽生演奏など文化アトラクションを鑑賞する30~99人の団体には2万台湾㌦(約8万円)の助成金を用意。100~200人の場合は3万台湾㌦(約12万円)となる。
海外個人台湾旅行応援キャンペーンは、抽選で5千台湾㌦(約2万円)が当たる。当選者数は23年が25万人、24年は15万人、25年が10万人。台湾パスポート所持者でなく、3~90日まで滞在する人が対象。台湾到着後専用HPからエントリー後、空港のCPカウンターで抽選にチャレンジでき、当選者にはその場で商品がプレゼントされる。
10月21日(土)にはJATAとのコラボイベントとして新北市で合同天燈上げ実施。JATAの会員が今後、イベントに向けた商品を造成していく。
説明会では台湾のオードリー・タンデジタル担当大臣が「観光業界におけるデジタルの最新動向」をテーマに、登壇した。
オードリー大臣はデジタル技術を活用する際は、「誰も取り残してはいけない」とし、観光地の魅力を日本語や英語などの多言語で解説するアプリを開発したことを説明。さらに、観光地の混雑状況をウェブサイトで発信していることも紹介。「高齢者など足が弱い人も長蛇の列に並ぶことなく、観光を楽しめるようになった」と語った。
その後、スカイランタン演出のほか、懇親会と商談会を実施し、台湾へのさらなる送客に向けて機運を醸成した。