【ANTA支部長から~届けメッセージ~】東京都支部 村山吉三郎支部長 「自社の存在価値をお客様に」
2023年5月22日(月) 配信
今号から全国旅行業協会(ANTA)の各都道府県支部長が本紙で提言やメッセージを発信する連載「ANTA支部長から届けメッセージ」がスタートする。第1回は、東京都支部の村山吉三郎支部長からの発信だ。
2020年春から徐々に蔓延し始めた新型コロナウイルス。最初はこの流行も直ぐに終了すると考えていましたが、全世界へと広がりを見せ、異常な雰囲気のなか、あっという間に3年目になりました。我われの旅行業界も人の移動が禁止され、売上の減少が続きました。
その間の流れを考えてみると、旅行に行くにあたりワクチンの予防接種3回以上の接種証明書が必要で、宿泊するのにも乗り物にも乗るのにもマスク着用が求められ、旅行に行く楽しさが制限されたのは事実です。
今、旅行と言えば個人旅行が主体です。団体の旅行は未だ自粛ムードが続いています。
団体旅行の代表格の社員旅行は、会社全体で行くのではなく、課やグループ単位での参加へと変化してきました。
さらにコロナ過後は、社員旅行が「家族単位で参加する」といったように大きく変わりつつあります。
原因はホテルの部屋に他人と入るよりも家族単位の方が、感染リスクが低いことも要因の1つかと思います。
最近、個人旅行が多いのも社員旅行を中止して会社が旅行代金を家族旅行に充てているからだとの情報もあります。
我われ旅行会社が、新たな企画とアイデアを見つけることができるかが大きな課題です。
1泊2日のバス旅行にしても、家族が楽しめる施設の選択や、食事のスタイルなども考えなければなりません。これまでのような宴会形式だけではなく、ビュッフェスタイルの食事会場も必要になります。
宿泊先までの行程では、途中にカラオケ大会やサロンルームを作って酒盛りも少なくなると感じています。
このままではOTA(オンライン旅行会社)にどんどん顧客を取られる時代になります。防衛策としては、ホームページの作成など企業努力で個人客の集客にも力を入れる工夫も必要だと感じます。
最後に、自社の存在価値をお客様に知っていただける努力が一番大事になるかと思います。