【特集 No.635】全旅連“新たなスタートへ” 鼎談 井上氏×塚島氏×高橋氏
2023年5月31日(水) 配信
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会はこのほど、新たなトップに井上善博会長、塚島英太青年部長、高橋美江女性経営者の会(JKK)会長が就任した。新型コロナの分類が2類から5類へ引き下げられ、コロナ禍から新しい観光、宿泊業のあり方へと変わりゆくなかで、全旅連の新たなトップ3氏が抱負を語る鼎談を行った。業界が抱える大きな課題である金融問題や人手不足などを、問題意識として共有した。昨年100周年を迎え、新たな100年に向け、それぞれのビジョンを語り合った。
【聞き手=編集長・増田 剛、構成=馬場 遥】
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──就任にあたっての抱負をお話しください。
井上:新型コロナウイルスの影響で苦しんだ業界のなかで、ご勇退された多田前会長や先輩方の軌跡と功績を踏まえながら、我われ次の世代が引き継いでいきたいという想いで、立候補させていただきました。
全旅連親会にも幅広い年代の方々がいます。これまで、青年部で活動に尽力してくださった会員の皆様にも、次は親会のステージで頑張っていただきたいと考えております。さらには、女性経営者の会の皆様とも意思疎通しながら、一丸となってコロナ明けの時代に即応していく所存です。
近年の青年部については、歴代の青年部長がリーダーシップを発揮してさまざまな事業や取り組みを行っております。
若い青年部の力も借りながら、コロナ禍からの早期脱却・反転攻勢となるべく、新しい時代に向けた観光の再始動に力を注いでいきたい。そして、顕在化した業界の課題解決に丁寧に取り組みながら、観光立国推進を進めていきたいと思っております。
塚島:2023―24年度のテーマは、「温故知新~今こそ示せ! 青年部の矜持を~“IMPOSSIBLE IS NOTHING”」。我われ青年部にできないことはない、不可能なことはないという想いを込めました。
井上会長がおっしゃった「再始動」に向けて何が大事なのかと考えたとき、「今までやってきたことを、良いものは残し、変えていかなければならないものは変えていく」という「温故知新」をテーマに掲げました。
私が青年部に初めて出向したのは15年前で、井上会長が19代青年部長をされていたタイミングです。とにかく「ホテルの勉強をしたい」という思いで入らせていただいた青年部でしたが、壇上で全国の仲間たちに語りかける当時の井上部長の姿に、感銘を受けたのを覚えています。まさか自分が青年部長としてご一緒できるなんて、とご縁を感じている次第です。
高橋:JKKは来年、20周年を迎えます。当初のメンバーは10人未満でしたが、現在は100人近い会員さんが全国各地にいます。いよいよ観光のリスタートの時期ということで、スローガンは「勇気と行動で日本経済を牽引する産業に」を掲げました。
JKKは今期、女性活躍委員会を設置し、ほかの業界で活躍する女性の方も講師にお招きして勉強会を開きたいと考えています。経営者と従業員双方が心・体・会社の健康に気を付けて経営・仕事することを学ぶことができればと思います。
また、ジェンダー平等といわれる時代に、どういったことを求めていけばいいのかを皆さんと議論し、仕事や育児、家事、介護など、上手な両立の仕方などを探っていきます。
コロナ禍は明けましたが、やはり観光に期待を向けられているのであれば支援も続けていただきたいので、親会と青年部と一緒に足並みをそろえ、業界や事業者に対して継続的な支援をしていただけるよう国へ呼び掛けていきます。
──金融問題や人手不足などの課題への取り組みは。
井上:全旅連では今後、……
【全文は、本紙1902号または6月7日(水)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】