インバウンド拡大へ、アクションプランまとめる 3分野で約80の施策(観光立国推進閣僚会議)
2023年6月1日(木) 配信
観光立国推進閣僚会議は5月30日(火)、第20回会合で「新時代のインバウンド拡大アクションプラン」を決定した。これまで外国人観光客を呼び込むという観点からさらに視野を広げ、「インバウンド需要をより大きく効果的に根付かせる」目的で方策を取りまとめた。
同プランでは、「ビジネス分野」「教育・研究分野」「文化芸術・スポーツ・自然分野」の3つを柱とし、合計約80の施策を用意した。これにより、国際的な人的交流を伴う取り組みを深化・掘り起こしし、インバウンドの着実な拡大をはかる。
ビジネス分野における目標として、ビジネス目的での訪日外国人旅行消費額を、コロナ前2019年の7200億円から、25年までに8600億円と2割増加させる。
また、国際会議開催件数において、アジア最大の開催国となることや、アジアナンバーワンの開催国として不動の地位を築くことを目標とする。さらには、30年までに世界5位以内の開催国となることを目指す。
展示会・見本市への外国人参加者数は、コロナ前の13万9000人から2割増の16万7000人に目標値を設定した。
教育・研究分野では、海外からの研究者の受け入れ数をコロナ前から2割増の1万6000人にし、科学技術・自然・医療・社会分野などに係る国際会議への外国人参加者数を、同様に2割増の18万6000人まで増加させることを目標とした。
文化芸術・スポーツ・自然分野における目標として、世界のアート市場における売上額シェアを7位(19年はランク外)まで引き上げることや、スポーツ目的の外客数をコロナ前2割増の270万人まで増加させることを目指す。
政府は「各府省庁が連携して着実な推進をはかっていくことが重要」として、観光のみならず3分野での人的交流の拡大への取り組みが相乗効果を発揮して、新たな価値を創造・発信していくことを期待する。
今後、MICE推進関係府省庁連絡会議も活用しながら、各府省庁の取り組みの具体化や、施策の連携、さらなる充実をはかっていく方針だ。