全日本ホテル連盟、清水嗣能会長が再任 4本柱で持続可能性を追求
2023年6月15日(木)配信
全日本ホテル連盟(ANHA、清水嗣能会長、正会員229ホテル)は6月13日(火)、東京都千代田区のホテルメトロポリタンエドモントで2023年度通常総会を開いた。任期満了に伴う役員改選で、清水会長(ホテルリバージュアケボノ社長)が再選した。23年度は4つの柱を立て、連盟の理念に基づく持続可能性の追求をはかる。
清水会長は冒頭、今春に連盟会員を対象としたアンケート調査を行った結果、85%以上が「人手不足」に一番困っているとの回答だったと報告した。これを受けて、同様に人手不足が深刻なアメリカでは、従業員の賃金を上げて人材を集め、客室料金も上げて売上を上げたことでカバーしている対策事例を紹介。業界として「価格競争から、価値競争へ転換をしていかなければならない。価値を作っていく業界に変わっていかなければならない」と強調した。
来賓の観光庁観光産業課長の柿沼宏明氏は、昨年10月の水際措置の緩和以降、全国旅行支援による需要喚起もあり、観光業界がインバウンドを含めて元通りの姿に戻りつつあると言及。一方、一番の課題は人手不足であるとの共通認識を示し、観光庁では「高付加価値化事業というカタチで、宿の単価を上げて、その分で賃金を上げられる環境整備に取り組んでいる。今後も生産性を高めてもらう支援は続けていきたい」と力を込めた。
23年度事業計画では、①国づくり②会づくり③人づくり④宿づくり――の4つの柱を立て、それぞれの分野が密接に連携して事業を行い、連盟の理念である「MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)」に基づく持続可能性を追求するとした。具体的には、インバウンド誘客活動やハラール対応などの会員向け研修会、各種規定の整備やSDGs推進に関連した事業を担当しながら、連盟の基盤整備を行う。
このほか、本部委員会活動を担う人材の発掘と各支部活動に実参加してもらえる会員を増やすため、会員増強委員会を新たに設置。オンラインのホテル経営者セミナーの開催のほか、女性の活躍が欠かせない業界であることから、交流の場として女性部を設置する。
23年度の年会費はコロナ禍を鑑み、減免措置による支援を継続。正会員は半額免除で2万5000円とし、客室割会費も半額を免除する。準会員は1万円、賛助会員は10万円で従来通りとした。