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【特集 No.636】「ピンクリボンのお宿」シンポin花巻(いわて) 心が軽くなる「アピアランスケア」

2023年6月20日
編集部:馬場遥

2023年6月20日(火) 配信

 乳がん体験者が旅を楽しみ、安心して温泉を満喫できる環境をつくるピンクリボンのお宿ネットワーク(会長=畠ひで子・匠のこころ吉川屋女将、事務局=旅行新聞新社)は5月30日(火)、岩手県花巻市の新鉛温泉・結びの宿愛隣館で、「第9回ピンクリボンのお宿シンポジウムinいわて花巻」を開いた。CSRプロジェクト代表理事・桜井なおみさんの基調講演や、ポーラコーポレート室長の佐藤幸子さんの講演、会場となった愛隣館社長の清水隆太郎さんの会員活動報告が行われた。
                               【馬場 遥】

心ゆくまで温泉楽しんで 旅館、観光、患者会など約60人参加

 第9回「ピンクリボンのお宿シンポジウムinいわて花巻」には、同ネットワーク会員の旅館・企業・団体をはじめ、岩手県内の旅館や観光協会、行政、患者会など約60人が参加し、講演や活動報告に熱心に耳を傾けた。

 畠会長は、乳がんの手術や治療を受けて回復の道を辿りながらも、術後の痕などを気にして旅を諦めてしまう女性たちに、「誰の目も気にせず旅に出掛けていただき、心ゆくまで旅館やホテルでの温泉入浴を楽しんでもらおうと発足した」と会設立の経緯を説明した。

 「設立時は16人に1人といわれた乳がんも、今や9人に1人が罹患する病気。本日講演を聞いて学んだことが、皆様の生きる力になれれば幸い」と期待を述べた。

 地元の来賓として、八重樫和彦花巻市副市長、谷村邦久岩手県観光協会理事長(代理・佐藤健部長代理)、佐々木博花巻観光協会会長、安藤昭岩手県旅館ホテル生活衛生同業組合花巻支部長が出席。

 上田東一花巻市長(代読・八重樫副市長)は、「花巻市ではがんの治療によって生じた体や容姿の変化をカバーし、療養しながら安心して仕事や生活を送っていただけるよう、ウィッグや乳房補正具などの購入に対して補助金を出している」と市の取り組みを説明。「花巻市は北東北随一の規模を誇る花巻温泉郷を有する。ご参加の皆様には、温泉の魅力をご堪能いただきたい」と歓迎の言葉を述べた。

 谷村理事長(代読・佐藤部長代理)は、「協会には18年に『岩手バリアフリー観光情報案内所』を設置し、県内の宿泊施設の車いす対応などのバリアフリー情報の提供などを行い、観光関係者へのバリアフリー対応の普及啓発にも取り組んでいる」と紹介した。「今後もさまざまなお客様に岩手の旅を楽しんでもらえる環境づくりに取り組んでいきたい」と意気込みを述べた。

 

宿ネット11年目 新たな冊子・ポスターも

 同会の会員数は宿泊施設が98軒、旅館組合など団体が6会員、企業が16社の合計120会員。

 活動内容では、毎年10月に発行する「ピンクリボンのお宿冊子」で、会員施設や宿泊特典クーポンを掲載。10万部を発行し、会員や病院、患者会を通じて、希望者に届けた。

 2022年11月には、企業会員であるポーラが作成した「スキンケアとメークアップの本」という冊子を発行した。基本のスキンケアやメイクのやり方だけではなく、生き生きと明るい印象に見せるためのテクニックを紹介。リボン宿ネットに加盟している全国の宿泊施設で配布している。

 このほか、ピンクリボンのお宿や入浴着着用での温泉入浴のポスターを作成し、会員施設のロビーや脱衣所に掲示して、一般の利用者にも活動を周知している。

 会場には会員企業の製品を展示した。ウィッグや入浴着などを実際に手に取り、説明を聞く参加者の姿が見られた。

 講演では、桜井なおみさん(CSRプロジェクト代表理事)が「人生100年時代の『女性』と『がん』」、佐藤幸子さん(ポーラコーポレート室室長)が「たとえ『がん』になっても美と人生を楽しむ提案」をテーマに話した。

 会員活動報告は、結びの宿 愛隣館の清水隆太郎社長が「温泉旅館におけるピンクリボン活動とウェルカムベビーのお宿としての取り組み」を紹介した。

 講演後には、愛隣館の館内ツアーが開かれた。参加者は、リニューアルしたダイニングやキッズスペース、露天風呂付き客室を見学した。……

【全文は、本紙1904号または6月23日(金)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

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