〈観光最前線〉ときどき「和ろうそく」
2023年6月21日(水)配信
電気代高騰ゆえ、ときどき「ろうそく」を灯しています――理由は冗談、行いは本当。和ろうそくの話です。
何層も塗り重ねる製造工程やススが少ないなど、さすがという特徴が並ぶが、一番感心したのが「無風の室内でもゆらぐ炎」。太い芯の内部が空洞なので、空気の流動がなせる業という。その「イロハ」は、岐阜県飛騨市の「三嶋和ろうそく店」で教わった。
気分転換で眺めるなら、1時間程燃焼する3匁(約10㌘)サイズがおすすめ。今は島根県安来産の「透かし燭台」が、最高の相方だ。鉄皿にドット模様が施され、炎と影、双方のゆらぎを楽しめる。
飛騨をはじめ会津や七尾など、和ろうそくの産地を訪れた時、少量買い求めるのが楽しい。手元の燭台が生まれた「たたら製鉄の古里」にも、機会あればぜひ。
【鈴木 克範】