NAA、5月総旅客は255万人 コロナ前の7割まで回復
2023年6月23日(金) 配信
成田国際空港(NAA、田村明比古社長)が6月22日(木)に発表した2023年5月の総旅客数は、前年同月比129%増の255万1919人だった。コロナ禍前の19年同月比で7割まで回復。国際線の外国人旅客数は中国線が回復していないなかでも好調となり、国内線はゴールデンウイークもコロナ禍前と同水準を推移した。
国際線の旅客数は同235%増の194万9137人。このうち、日本人は同217%増の42万3713人で、とくに外国人は同686%増の125万6200人と、引き続き19年同月比8割の水準となっている。
田村社長は、好調を推移する国際線の外国人旅客数について「中国を除く東アジア、東南アジアを中心に回復傾向にあり、数字でみると17年同月のレベルまで回復してきている」と話した。
一方、国内線の旅客数は同14%増の60万2782人となり、19年同月比で9割超まで回復した。
総発着回数は同30%増の1万7097回。国際線全体は同46%増の1万2937回、このうち旅客便は同100%増の1万307回で前年の2倍を記録し、貨物便は旅客便の回復に伴い同29%減の2465回となった。また、国内線全体は同3%減の4160回。
□国際線旅客数が増加、海外旅行の回復を期待
6月1~17日までの国際線出国旅客数は、前年同期比438%増の46万7000人だった。このうち、路線別の最高値はアジア線が同246%増の13万5000人、次いで韓国線が同945%増の9万7600人だった。
コロナ禍前の水準まで回復していないアウトバウンドについて、田村社長は「韓国、台湾などの近距離路線やハワイなどへ向けた観光予約が段々と増えている。夏以降、アウトバウンドも少しずつ回復していくものと期待している」と語った。
□環境配慮に限定の債券、「グリーンボンド」発行
同日、NAAが国内外のグリーンプロジェクトに要する資金を調達するために発行する債券「グリーンボンド」の発行方針に対して、格付投資情報センター(R&I)からの第三者評価の取得を発表した。NAAによると、国内の空港運営会社がグリーンボンドに関する第三者評価を取得するのは初めてで、今秋にも同債券を発行する方針だ。
田村社長は「グリーンボンドの発行を通じて、環境課題への取り組みをより多くの人に認知してもらいながら、空港分野での脱炭素化を強力に推進していく。環境に配慮した持続可能な空港づくりを進める」と述べた。