みずの企画 業者用予約サイト開設 京都の町家ホテルから
2023年7月3日(月) 配信
安藤予約センター四国営業所を運営する「みずの企画」(水野真人代表、愛媛県松山市)はこのほど、旅行業者用予約サイト「あるたネット」を開設した。
京都府と四国4県の宿泊施設を中心に掲載する計画で、まずは第1弾として、京都府で1棟貸しの町家ホテルなどを経営するレアル(京都市中京区)と契約し、同社が展開する「鈴」ブランドの各町家ホテルが予約可能となった。現在は「鈴 四条高瀬川」「鈴 祇園八坂前」など6軒がネット予約でき、年内には30軒まで増やす。その後も順次拡大する。レアルが経営する施設は町家タイプ36施設、ホテルタイプ21施設の計57施設。
伊予鉄タクシー(愛媛県松山市)とも契約し、同社が実施する「道後・松山 酒蔵めぐりの観光タクシー」の予約も受け付ける。
旅行業者の利用は事前登録が必要だ。2024年3月までに登録すれば無料で利用できる。宿泊予約の場合、送客手数料は15%。支払い方法は施設やプランによって異なり、①お客が宿泊当日、宿泊施設で支払い②旅行業者が宿泊日までに手数料抜き税込で宿泊施設に振込――の2パターン。
①のケースでは旅行業者から宿泊施設に15%の送客手数料を請求する。なお、お客がクレジットカードで決済した場合は2%の決済手数料が発生し、送客手数料は13%となる。
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サイト開設にあたり水野代表に話を聞いた。
――「あるたネット」の狙いは。
中小のリアルな旅行業者はデジタル・ディバイド(情報格差)にさらされ、ネットで部屋を取ろうとすれば悪戦苦闘のうえ、手数料は10%程度ということが多い。「あるたネット」は手数料15%を確保する。そういう意味で、手数料15%を出せるプランを設定してくださる宿泊施設の協力で成り立つサイトだ。
――宿泊施設にとって手数料は少しでも下げたいのでは。
OTA(オンライン旅行会社)のシステム手数料も上がっている。競合他社がそろうなか、掲載順位を上げるために支払う経費を換算したら、15%を超えているケースもあるのでは。宿泊施設にとってはプランを設定し、登録していただければ、販売経路が増やせる。
――リアルな旅行業者が苦境にあえいでいる。
インターネットは、安い宿泊料金を探すのは得意だが、旅の楽しみ方はあまり探せない。「旅の楽しさ」を教えてくれる旅行業者がまだまだ必要。個人客の要望に応えることができ、手数料15%が入るのは大きなメリットだ。
――サイトを通して集客目標は。
宿泊施設、旅行業者の双方に参加を呼び掛ける。年内までに旅行業者の登録アドレス数を100、利用件数は30件300万円を目指す。
【土橋 孝秀】