南阿蘇鉄道 7月15日全線開通 熊本地震から約7年3カ月ぶり
2023年7月11日(火) 配信
熊本県高森町の南阿蘇鉄道(社長=草村大成・高森町長)は7月15日(土)、熊本地震による被災箇所の復旧工事を終え、全線で運転を再開する。地震が発生した2016年4月以来、約7年3カ月ぶりの全線開通となり、地域住民の利便性向上と観光客の増加に期待がかかる。
同鉄道は阿蘇山の南側の立野駅(南阿蘇村)と高森駅(高森町)を結ぶ全長17・7㌔。被害が比較的軽かった中松駅(南阿蘇村)―高森駅の7・2㌔は地震から約3カ月半後に運転再開したが、橋やトンネルの損壊が激しかった立野駅―中松駅の10・6㌔の区間は不通が続いていた。
立野渓谷に架かり、同鉄道を象徴する風景として親しまれた「第一白川橋梁」の架け替えなど大規模復旧工事を終え、鉄道の両端の立野駅と高森駅には新駅舎が完成した。昨年11月には多言語案内やバリアフリーに対応した新型車両を2両導入した。
全線開通と同時に、JR豊肥本線の肥後大津駅(大津町)への乗り入れを始める。朝の時間帯に1日2便の運行となる。
人気の観光トロッコ列車「ゆうすげ号」は7月16日(日)から11月30日(木)までの土・日・祝日に運行する。7月16日(日)から8月27日(日)の夏休み期間と、11月24日(金)も運行する。
熊本県出身の漫画家・尾田栄一郎氏の人気漫画『ONE PIECE』と連携した「ONE PIECE熊本復興プロジェクト」の一環として、全線開通を記念したコラボ列車「サニー号トレイン」の運行も7月22日(土)から始める。同日からの木曜日から日曜日と祝日に1日3便運行する。普通列車として運行し、通常の各区間運賃で乗車できる。