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「津田令子のにっぽん風土記(99)」東奔西走、渡り歩く仕事師~ 福島県郡山市編 ~

2023年7月16日(日) 配信

通勤コースになっている麓山公園
NHK文化センター郡山支社長 上村妙子さん

 これまで日本各地を駆け巡ってきたNHK文化センター郡山支社長の上村妙子さん。赴任先は福岡を皮切りに、北九州、再び福岡へ、一気に北へ飛び帯広支社を経て福山へ赴く。さらに長崎から東京(本社)へ。その後も仙台、川越、水戸の各支社を経て、昨年5月から福島県郡山に着任したという。「段ボールの荷解きをしないまま次の赴任先へなんてこともありましたよ」とケロッとおっしゃる。

 

 移動する先々でその土地と人に心底惚れ、自ら馴染み仲間を増やしながら仕事を愉しまれているように映る。とくに印象に残っているのは「帯広です。九州からの海峡を2つ超えて初めて室長として勤務したのですべてが新鮮で刺激もありました」と語る。

 

 NHK文化センターに入ったきっかけは、「福岡教室でアルバイトをしているときに当時の支社長から勧められ社員試験を受けました。気づいたら数十年働いていました」と話す。小学3年の夏まで生まれ育った大分にいた上村さん。「高齢の両親もまだ健在ですので定年後には帰りたいと思っています」と言うが、まだまだ、日本各地の文化や食、人との出会いを謳歌できたらと意気軒昂だ。

 

 現在は、支社長として主に講座管理・企画・運営を行っている。郡山の印象は「ちょうど赴任して1年が経ちました。とにかく優しい方が多く、人間関係はばっちり。観光地もたくさんあるので皆さん親切です」と話す。

 

 気に入っている場所は、「郡山駅前周辺の飲食店です」と何とも上村さんらしい答えが返ってくる。会社帰りに一杯ひっかけるのが、目下、最大の楽しみだという。「以前はテニスもしていましたが、今は仕事帰りに飲むビールや焼酎がライフワークです」と断言する。「それと通勤で毎日荒池公園を3~4分、芝生の周りを歩いていますが、空気が澄んでいて気持ちよく癒されます」と街の魅力のアピールも忘れない。「麓山公園は、教室があるNHK郡山支局の隣で、向かいには郡山中央図書館も隣接しています。疲れたときには滝を眺めてリフレッシュしています」。

 

 結果として、寅(映画「男はつらいよ」の主人公・車寅次郎)さんのごとく、日本全国旅をされている上村さん。「赴任してすぐのころは前任地を思いだしますが、2年目になると、『ここもいいかも』と思い、3年目には大好きな場所になる」と振り返る。このあたりに「東奔西走もろともせず渡り歩く仕事師」と呼ばれる秘訣があるのでは。

 

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

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