出雲市が山陰地方で初の「旅先納税®」導入 全国では30自治体目
2023年7月19日(水) 配信
島根県出雲市(飯塚俊之市長)は7月18日(火)から、電子ギフト事業を手掛けるギフティ(太田睦・鈴木達哉社長、東京都品川区)が提供する「旅先納税®」を開始した。山陰地方では同システムの採用は初めて。全国では30自治体目となる。
旅の途中でふるさと納税を行う「旅先納税®」は、返礼品として該当地の電子商品券が発行されるもので、地域経済の活性化などを狙う。自治体は同社の「e街プラットフォーム®」を採用することで、地域の電子通貨の発行や流通、旅先納税®など包括したサービスが受けられる。
出雲市の返礼品の電子商品券は「いずもe街ギフト」で、出雲大社周辺を中心に宿や飲食店、観光施設など53店舗で利用できる。利用可能店舗は順次拡大していく予定だ。
同日に開いた会見で飯塚市長は昨年、ふるさと納税の総額が目標の10億円を突破したと報告。「さらに伸ばすためにはさまざまなニーズに沿って利用しやすいものにしていかなければならない」と述べ、観光客がコロナ前の状況に回復しつつあるなか、「旅先納税®」に期待を寄せた。
ギフティ常務執行役員の森悟朗氏は、「旅先納税®」のメリットとして、既存のふるさと納税では恩恵が受けられなかった3次産業が受け口になっていることを挙げ、「新しい地方創生のアプローチだ」と述べた。
また、ふるさと納税全体でみると利用者は年々増加傾向にあるが、対象者約5950万人のうち、利用者の割合は約12%となっていることから、今後も伸長の余地があることを示した。同社は新しいふるさと納税のスタイルとして「旅先納税®」の定着をはかるとともに、新たな人流創出につなげたい考え。
同納税の普及に向け、同社は昨年11月に日本航空(JAL)と業務提携を結んだ。会見にはJAL山陰支店長の棚橋学氏も同席し、「旅マエ、旅ナカで搭乗客にPRしていきたい」と周知に向けて意気込みを語った。
JALでは、9月24日まで「旅して応援!旅先納税キャンペーン~2023夏~」を実施している。期間中に「旅先納税®」を行い、1万円分を1口としてキャンペーンページから参加登録すると抽選で国内線往復航空券などが当たる。