観光の再生・復活に向けた意見・要望を公表 持続可能な観光地域づくりを(日本商工会議所)
2023年7月24日(月) 配信
日本商工会議所(小林健会頭)は7月21日、「観光の再生・復活に向けた意見・要望~持続可能な観光地域づくりの実現を目指して~」を公表した。地域の持続可能な観光地域づくりに向け、国が重点的に強化すべき施策について提言したもので、国土交通大臣や政府に同意見書を提出して実現を働きかけていく。
このなかで日商は、地域“ならでは”の観光コンテンツの開発・高付加価値化への支援強化を要望。コンテンツ造成のため、プランナーなどの専門人材が地域を支援する施策の拡充や、観光資源発掘からサービス提供まで長期間地域を支援するスキームの提供などを求める。このほか、地域の歴史・文化資源に関する教育充実による、郷土愛の醸成促進や歴史的建造物、国指定公園などの活用促進に向けた手続き窓口一本化などを挙げた。
また、交流・観光人口拡大と旅行需要の平準化も重要とし、平日の観光コンテンツの造成や、国と地方自治体の連携による平日休暇の取得促進などを掲げる。
インバウンドの地方誘客促進は、戦略的なプロモーション展開への支援や、多様な価値観を持つ外国人旅行者の受入体制整備を要望する。
他方、事業再生や再構築に取り組む事業者への支援として、需要が急速に戻りつつあるなか、深刻化する人手不足・人材育成への支援強化を求める。さらに、長引くコロナ禍で事業者の財務基盤は大きく毀損していることを強調。経営基盤の再生・強化に向けて実情に合わせた最大限の資金繰りと事業再生支援や、原材料・エネルギー価格の高騰、最低賃金引上げなどコスト負担増への対応支援を要求している。