環境配慮型旅館へ 強羅花扇、水素コンロを旅館「円かの杜」に導入
2023年7月25日(火) 配信
環境配慮型旅館へ――。強羅花扇(神奈川県・箱根町)はこのほど、運営する「円かの杜」に水素コンロを導入した。旅館に導入されるのは、日本で始めて。
水素コンロを2台使用することで、厨房か出る二酸化炭素を年間1.2㌧削減できるという。同社は今後、煮炊きに使うコンロも水素を利用するモノに変更する予定。今後、水素を用いた燃料電池や太陽光で館内の消費電気を賄うことも検討している。
水素コンロの製造、販売を行うH2&DX社会研究所(福田峰之代表、東京都千代田区)と共同で行われた今回の取り組み。7月20日(木)に行われた内覧会で福田代表は、「二酸化炭素を削減したうえで、美味しいものが提供できるところ」に水素コンロの導入価値があると語った。
水素コンロで食材を調理する場合、水素と酸素が結合することで中はジューシーに、一方外は水素の燃焼温度が高いのでカリっと焼きあがるという。また水素は無臭なので、炭やガスと違い食材に匂いが移らず、素材本来の味を楽しめることも特徴と同代表は説明する。
松坂美智子女将は2019年に発生した台風19号の豪雨被害によって旅館「早雲閣」を閉館したことが、環境問題に目を向けるきっかけになったとし、「子供たちの世代、またその次の世代まで、美しい地球を残すために、環境問題に取り組む。環境に配慮し、お客様をお迎えしたい」と語った。