一葉が通った質店取得、地域創造に産学連携(跡見女子大×文京区)
跡見学園女子大学(山田徹雄学長)と東京都文京区(成澤廣修区長)は3月12日、同大学文京キャンパスで合同記者会見を開いた。文豪・樋口一葉に関する区内の文化財「旧伊勢屋質店」を3月11日に同大学が取得。地域創造の産学連携の取り組みについて発表した。
旧伊勢屋質店は明治時代に建造された蔵・見世・座敷からなる歴史的商家建築。樋口一葉が生活に困窮した際に何度も通った質店で、文学史跡としても貴重な建築とされる。これまでは個人の所有だったが建築の存続が危ぶまれる状況になったため、これまで保存活動に取り組んできた同大学が土地と建物を取得した。取得費用は約1億3千万円で、文京区が約4千2百万円を支援。区民を対象にした「一葉募金」も開始しており、区・大学・区民が協力し旧伊勢屋質店を活用する。
成澤区長は「事業委託の形で、大学には建物の公開や観光案内事業など進めてもらいたい」と活用ビジョンを語った。山田学長は「4月に開設する『観光コミュニティ学部』の実践的な地域創造の場として利用を進めていく」と述べた。