エアージャパン、来年2月に成田ーバンコク線を就航 航空券の販売開始
2023年8月3日(木) 配信
ANAグループの新航空会社、エアージャパン(峯口秀喜社長)は8月2日(水)、同社ブランド「Air Japan」として2024年2月9日から成田―バンコク線を就航すると発表した。片道の最低運賃は1万5500円に設定し、同日から日本発の航空券の販売を開始した。旺盛なタイからのインバウンドをターゲットに、グループで取り込めていなかった新たな需要を獲得したい考え。運航は週6便。
峯口社長は「19年にタイから日本に訪れた人は130万人を超え、大きな市場だ。日本人もタイは好きな国。双方の需要を狙う」と語った。
同社はグループのフルサービスキャリア(FSC)である全日本空輸(ANA)と、ローコストキャリア(LCC)のピーチ・アビエーション(Peach)の利点を取り入れた「ハイブリッドエアライン」として新たなモデルの確立を目指している。特徴として、安全性やサービス、シートの快適性はFSCと同等レベルを提供する一方、中長距離路線でありながら手ごろな運賃体系を提案。選択肢を増やし、グループ全体で幅広いニーズに応えていく。
運賃プランは3種類用意する。需要に応じて変動するダイナミックプライシングだが、2歳以上6歳以下の小児は全プランとも定額。燃油サーチャージはいずれも不要。「Simple(シンプル)」は1万5500円からで、有料オプションサービスは含まれない。小児は8千円で、事前座席指定(1500円まで)が含まれる。
「Standard(スタンダード)」は1万9200円から、小児は1万590円。1500円までの事前座席指定ができるほか、23㌔までの手荷物1つを預けられる。
「Selected(セレクティッド)」は2万3800円から、小児が1万5300円。3千円までの事前座席指定と、預入手荷物2個、機内食がつく。
なお、前方67席までの座席指定でソフトドリンクが飲み放題になる。
同社の魅力としては「日本らしさ」を挙げる。峯口社長は「例えばハワイアン航空では機内に入った瞬間からハワイを感じられるように、エアージャパンに乗ったときから日本を感じていただきたい」と述べた。
そこで力を入れるのは、「空から日本の美味しさの発信」をコンセプトに据える有料サービスの機内食だ。現役の客室乗務員8人が主体となり、機内で得られた嗜好の傾向や生の声を生かし、メニューを企画・開発した。事前購入メニューとして、現地の嗜好を踏まえた「親子丼」や、握りと手毬、巻き、稲荷と4種の寿司が楽しめるオリジナルの寿司セットなど、13種類を用意した。機内食は紙製の容器で提供し、脱プラスチックで環境にも配慮する。
今後の展開については、来年度中に週7便のデイリー運航を目指す。25年までに機材を6機そろえ、ピーチとの接続なども考え関西空港の就航も視野に入れる。峯口社長は「今後、アジアからのインバウンドはまだまだ伸びる。グループ全体でしっかりと需要を取り込んでいくのが使命」とし、「アジアでの存在感を示していきたい」と意気込んだ。
タイでは8月下旬に発表会見を予定しており、現地の日本企業などとタイアップしながらプロモーションを行い、認知度拡大をはかっていく。