JATO、ATアカデミー創設で協議会がシンポジウム開く
2023年8月10日(木) 配信
日本アドベンチャーツーリズム協議会(JATO、大西雅之代表理事)は7月18日(火)、理事企業である日本航空(JAL)とJTBが共催し、東京都内で、「アドベンチャーツーリズムアカデミー創立記念シンポジウム」を開いた。観光庁、環境省、文化庁が出席し、アドベンチャーツーリズム(AT)推進に関する施策を講演。今年4月に創設したアカデミーで目指す人材像や地域のあり方をテーマに、パネルディスカッションも行った。
アドベンチャーツーリズムアカデミーは、今年4月1日(土)に同協議会、JAL、JTBが共同して創設。国内でのATの推進による持続可能な観光地域づくりを推進するリーダー人材の育成と、地域への新たな人流の創出をはかる。AT推進の普及啓発や受入環境整備、地域マネジメントのできるAT推進人材の育成を活動方針に掲げ、今年度内にテストプログラムを実施。24年度からの本格始動を予定している。
冒頭、大西代表理事は「ATが非常に脚光を浴びている一方で、取り組んでいる全国各地で同じような課題があるのではないか」と言及。課題について「世界に通用するガイドの質と量、アクティビティなどのコンテンツの深い意味付け、そして何よりも地域でATを推進・マネジメントする人材が非常に少ない。このような問題を共有したJALとJTB、日本アドベンチャーツーリズム協議会によってアカデミーを設立した。真のATを日本に根付かしていきたい。ATへの取り組みが日本の観光業界に新たなマーケット、そして雇用を創出させていく」と意気込みを語った。
来賓の観光庁観光地域振興部観光資源課課長の富田建蔵氏は「地方への誘客をはかるためにも、地方でのコンテンツづくりが大事。まさにATは非常に重要な取り組みではないか」との考えを述べ、協議会などの取り組みを後押しした。
講演には、環境省自然環境局国立公園課国立公園利用推進室長の水谷努氏と室長補佐の川瀬翼氏のほか、文化庁参事官付文化観光推進コーディネーターの丸岡直樹氏が登壇。それぞれATへの取り組みや、地域での事例紹介を行った。
後半のパネルディスカッションでは、くまの体験企画代表の内山裕紀子氏、Wondertrunk&co.代表取締役共同CEOの岡本岳大氏のほか、JATO理事であるJALソリューション営業推進部担当部長の白石将氏と、アルパインツアーサービス代表取締役の芹澤健一氏の2人が登壇。同じくJATO理事でJTB総合研究所主席研究員の山下真輝氏がモデレーターを務め、「アドベンチャーツーリズム推進に必要な人材像」について話をした。
三重県で世界遺産・熊野古道エコツアーを企画・運営する内山氏は、AT推進には地域住民による保全活動やまちづくりが不可欠であると示し、「最大の地域資源は人であると声を大にして発信していきたい」と強調した。