近畿日本ツーリスト、髙浦社長が辞任へ コロナ事業の過大請求で 後任に瓜生修一氏
2023年8月10日(木)配信
KNT-CTホールディングス(米田昭正社長、東京都新宿区)は8月9日(水)、連結子会社の近畿日本ツーリストが新型コロナワクチン接種業務で自治体に過大請求していた問題で、近畿日本ツーリストの髙浦雅彦社長が辞任する処分を発表した。後任には、近畿日本ツーリストブループラネットの瓜生修一社長が9月1日付で就任する。
過大請求などの全容解明に向けて、独立社外取締役や外部専門家による調査委員会を設置して調査を進めてきたが、8日(火)に同委員会から調査報告書を受領。今後、同委員会からの提言も踏まえた再発防止体制の強化と、経営責任を明確にするために、関係者の処分などを実施する。
近畿日本ツーリストでは髙浦氏の辞任のほか、取締役や執行役員、監査役の計13人の報酬を3カ月間自主返納。社員は懲戒解職の4人を含む37人を処分する。KNT-CTホールディングスでも、米田社長が報酬月額の20%、小山佳延専務と三宅貞行専務が同10%を3カ月自主返納する。
再発防止策では、既に開始しているコンプライアンス委員会とコンプライアンス改革本部、法令倫理管理センターの設置に加え、再発防止体制の強化に注力する。法令を遵守する営業体制・仕組みの再設計に向けた具体的協議や、契約に関する社員への再教育を徹底するとともに、企業風土改革に向けたKNT-CT全社員対象の意識調査などを計画。風通しのよい職場環境の整備と、不正を発生させない組織構造改革を進めるとした。