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「津田令子のにっぽん風土記(100)」「安曇野暮らしツーリズム」を掲げて(前編)~長野県安曇野市編 ~

2023年8月27日(日) 配信

ご実家の近くから見る田園地帯と北アルプス
安曇野市商工観光スポーツ部観光課長 下里 強さん

 安曇野市で観光を担当されて通算5年目になるという下里強さん。「一昨年、太田寛市長が就任されてからアウトドアスポーツの聖地化や観光振興にも力を入れ、従来の北アルプス登山以外にもトレッキングやウォーターアクティビティなどのブラッシュアップなどを進めています」とおっしゃる。

 

 アドベンチャーツーリズムに対応した海外のガイドカリキュラムに準じ、地域通訳案内士制度を活用した英語登山ガイドや、まちあるきガイドの育成にも取り組んでいるという。

 

 確かにここ数年の安曇野は、これまで以上に積極的かつ貪欲に、しかもアクティブに観光と向き合っているように映る。

 

 2回にわたる下里課長へのインタビューからも観光への熱い思いが伝わってきた。前編では、主に安曇野の魅力やこの時期おすすめのスポット、心に響く風景を紹介いただいた。後編では、秋に行われるイベント情報やこれからの安曇野、さらに下里さんのライフワークや夢についても伺った。

 

 地元で役に立ちたいという思いが叶い、ふるさとで働けていることへの感謝を忘れていないという下里さん。「進学で県外に出たことで同じ田園風景でも安曇野の風景との違いに寂しさを感じ帰省する度に当たり前の風景にホッとし、ふるさとのありがたさを感じました」と振り返る。

 

 地元に戻り、人も、風景も、食も含め、この地で暮らす豊かさや誇りを改めて実感し、今その魅力を内外に発信されているのだ。

 

 安曇野の最大の魅力を「シンボリックな形をした常念岳を中心に雄大な北アルプスが聳え、その麓に屋敷林が点在するのどかな田園風景。そしてわさび田を育む清らかな水の流れ、訪れた人がどこか懐かしくてホッとするような心地よさを感じ時間を過ごせるところでしょうか」と語る。

 

 この時期のおすすめのポイントは「旧国鉄篠ノ井線廃線敷です。明治時代の面影が色濃く残る総煉瓦造りのトンネルがあり、時が止まったようなノスタルジックな空間が広がっています。夏は青々とした草木を、秋は紅葉を楽しみながらトレッキングが楽しめます」と語る。

 

 「長峰山から眺める北アルプスと、眼下に広がる田園風景は絶景です。とくに実家近くの北アルプスを背景に安曇野スイス村から大王わさび農場へ続く電柱が一本もない田園地帯は素晴らしく、住んで良かったと実感できる瞬間です」と話す、下里さんの安曇野愛に満ちた表情が印象に残る。(後編に続く)

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

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