日旅、当期益91・6%増の55億800万円 全部門で伸長、国内旅行部門が牽引する(23年度連結中間決算)
2023年8月24日(木) 配信
日本旅行(小谷野悦光社長)が発表した2023年度中間期(23年1~6月)連結決算によると、当期純利益が前年同期比91・6%増の55億800万円を計上した。全国旅行支援の再開や、新型コロナの5類移行に伴う水際対策の緩和、円安、国際線定期便の再開などの影響を受け、国内・訪日・海外旅行それぞれの需要が大幅な回復となった。
「中期経営計画2022~2025」に基づき、ビジネスモデルの変革や組織改正などを契機とした構造改革に取り組んだ。このほか、ツーリズム事業ではWeb販売の強化に取り組み、海外旅行は渡航制限の緩和とともに順次商品展開を再開した。訪日旅行においては、最大限の受注拡大を行った。
この結果、売上高は同52・5%増の1059億6500万円となった。営業利益は同141・6%増の77億9200万円、経常利益は同123・4%増の80億9300万円と大幅な増収増益となった。
部門別(単体)にみると、国内旅行の売上高は同59・9%増の656億5300万円。自社商品の「赤い風船」では、JR西日本をはじめとしたJR各社と緊密な連携を取り、JRセットプランを中心にWeb専用商品の強化を行った。また、全国旅行支援と連動した商品展開や、カーボンオフセットを組み込んだJRセットプラン「カーボン―ゼロ」の取り扱い拡大などに取り組んだ。この結果、売上高は同94・7%増の391億2000万円となった。
国内団体では、企業向けソリューション営業の強化や、教育旅行の企画・催行、ICT教育、STEM教育などの教育分野におけるソリューション事業の拡大を進めた。国内の単品商品の売上高は、企業の出張需要の回復などによって伸長し、同72・1%増の24億2800万円を計上した。
海外旅行では、渡航制限の解除によって、ビジネス渡航や団体旅行、個人パッケージ商品の販売が順次再開していき、売上高が33億3200万円となった。営業利益は同370・2%増の9億300万円。
国際旅行では、水際対策の緩和・円安・国際線の再開などによって大幅に市場が回復したことにより、個人・団体ともに、最大限の受注拡大に向けた取り組みを強化した。この結果、売上高は92億5000万円、営業利益は24億8000万円を計上した。
一方で、全国旅行支援事業の愛知県版「いいじゃん、あいち旅キャンペーン事務局」運営の受託事業において、愛知県に不正請求していた問題について、「今後、組織風土改革などの再発防止策の徹底に取り組む」方針を示した。