啓発の輪を広げ、会員獲得に努める 第12回ピンクリボンのお宿ネットワーク通常総会
2023年8月30日(水) 配信
ピンクリボンのお宿ネットワーク(会長=畠ひで子・匠のこころ吉川屋女将、事務局=旅行新聞新社)は8月29日(火)、東京都内で2023年度第12回通常総会を開いた。今年度は9施設・2社が新規加入し、130会員となった。新年度事業では、マスコミへの広報強化や会員施設・企業と連携した広報活動のほか、一般企業に対する参画推進など、会員獲得に向けた取り組みに注力する。
畠ひで子会長は冒頭、「12年の設立当初、乳がんに罹患する人の割合は16人に1人だったが、現在は9人に1人。2人に1人はがんに罹ると言われている時代。いつ自分が乳がんになるか分からない。これまで勉強会やシンポジウムで乳がん経験者の人に語っていただいた体験談から学んだことを、もし自分が罹患してしまったときに思い出したい」と話した。
また、「乳がんを患い、手術や治療を受けて回復の道を歩みながらも、術後の痕を気にして旅を諦めてしまう人へ、もう一度誰の目も気にせず旅に出掛けてもらいたい。乳がんサバイバーの人に、旅館や温泉を楽しんでもらえるのは、私たち受入側の喜びでもある」と会の理念を改めて説明した。
畠会長は、さらなるおもてなしとして快適な環境づくりに努めてほしいことを会員宿へ呼び掛け、「宿泊業界のみならず、広く社会に向けて啓発の輪を広げていきたい」と意気込みを述べた。
会員報告では、22年度総会後、muneposi(東京都)が賛助会員として入会。
23年度の新しい施設会員として、花巻温泉 佳松園(岩手県)、花巻温泉 ホテル紅葉館(同)、大沢温泉 山水閣(同)、ほほえみの宿滝の湯(山形県)、二百年の農家屋敷 宮本家(埼玉県)、たびのホテル佐渡(新潟県)、ホテル金波楼(兵庫県)、皆生つるや(鳥取県)、秋月温泉 料亭旅館清流庵(福岡県)と、賛助会員としてラネイジュ(愛知県)が入会した。
現在の会員数は、宿泊施設が106軒、旅館組合・女将会が6団体、企業会員が18社の合計130会員。
会の活動としては、「ピンクリボンのお宿」冊子10万部を発行・配布したほか、今年の5月30日(火)に開かれたピンクリボンのお宿シンポジウム(岩手県・結びの宿 愛隣館)では、地方新聞や地方放送局から取材を受けたことで、大きな宣伝となった。
また、入浴着を着用して大浴場を利用することへの理解を求めるポスターを作成し、希望会員に配布した。
このほか、JTBガイアレックのWeb商品との連携では、ピンクリボンのお宿送客実績が21年は26軒682人だったのに対し、22年度は30軒2127人と、3倍以上の送客数となった。
新年度事業計画では、第10回シンポジウムを岡山県・湯郷温泉の湯郷グランドホテルで来年5月に開く予定だ。
また、会員拡大が急務として、本紙主催の「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」表彰式で出席者に冊子・参加案内を配布することや、総会やシンポジウムの記事にして読者に入会を案内するほか、病院への冊子配布と併せて、協力会員の案内を行う。さらに、美容・健康分野以外の一般企業の参画推進に取り組む。
総会後は同会場で茶話会を開いた。出席した会員は、各宿の取り組みや企業会員によるブース展示を通して、交流を深めた。