ベトジェットが日本就航5周年 「アジアの”エミレーツ”へ」路線拡大に意欲
2023年9月20日(水) 配信
ベトナムのLCC(格安航空会社)、ベトジェットは9月19日(火)に東京都内で、日本就航5周年を記念して会見を開いた。ジェイ・L・リンゲスワラ副社長が来日し、「アジアの“エミレーツ”を目指したい」と今後も日本含めアジア太平洋地域で意欲的に路線を拡大していくことを表明した。現在は16の国・地域に就航しており、アジアからオーストラリアまで路線網を拡げている。
日本では2018年11月、関西国際空港―ハノイ線の新規就航を皮切りに、23年7月に羽田空港からホーチミンへ直行便を就航するなど、現在は7路線の定期路線を運航している。また、ベトナムから新潟や福島、和歌山、鹿児島など日本の地方空港へチャーター便も運航。グループ会社のタイ・ベトジェットは22年7月に福岡―バンコク線、23年2月に関空―チェンマイ線を開設し、着実に路線を増やしている。
ベトナムを経由して、アジアの主要国際都市へ乗り継ぐこともでき、手荷物は最終目的地まで預けられるほか、国際線乗り継ぎが5時間以上24時間以内の旅客にバウチャーをプレゼントするサービスなどもある。料金クラスは4段階用意し、預入荷物や機内食など必要なニーズに合わせて選べる。
リンゲスワラ副社長は「コロナで需要は鈍化したが、日本の7路線が復活して嬉しい。訪日、アウトバウンドも復活し、19年の水準に近付いている。冬あたりに勢いを取り戻すだろう」とした。
今後の日本での需要見込みについては「日本に限らず、需要を活性化したい。我われは需要を奪う段階ではなく、新たな需要を作り出す段階にある。ネットワークを駆使し、パイを拡大していく」と意欲を見せた。
また、日本市場は独特の市場環境であると分析。「伝統的な旅行会社になじみがあり、とくに海外旅行では安心感を求めて多くの人が相談するだろう」とし、販売経路は直販から大手旅行会社、OTA(オンライン旅行会社)まで幅広く用意する。「外資系はオンラインのみに限定し、失速しているところもある。日本ではむしろ販路は多様化させた方がいい」と語った。
コロナ後は多くの航空会社が路線の拡大を躊躇しているが、ベトジェットはこれをチャンスと逆手に取り、路線の拡大を行っている。「コロナがなければ高すぎて手が出なかった」とコロナで値段が下がった機を捉えて、計画にはなかった機材を調達。「待っていることは得策ではない。流動的リスクを意図的に取り、戦略は走りながら調整している」と明かした。