旅館運営業者「猪の倉」(三重県津市)が破産手続き開始決定受ける 負債は約8億8000万円(帝国データバンク調べ)
2023年9月25日(月) 配信
猪の倉(岡田泰典社長、三重県津市)は9月5日(火)、津地裁から破産手続き開始決定を受けた。帝国データバンクによると、負債は約8億8000万円。
同社は2004(平成16)年9月に設立された旅館運営業者。宿泊施設「ふよう荘」(津市白山町)と、日帰り温泉施設「しらさぎ苑」(同)を運営し、ピークの09年12月期には年間収入高約5億2000万円を計上していた。
しかし、その後は同地域への観光客の減少や、施設の老朽化などにより業績は低迷。20年以降は新型コロナの影響で来客数が大幅に落ち込んだため、ゼロゼロ融資や雇用調整助成金を活用して事業継続をはかったものの、業績の回復には至らなかった。
加えて、過去の設備投資に伴う借り入れ負担が重荷となり、資金繰りは多忙化した。「しらさぎ苑」を22年5月ごろに休館したほか、「ふよう荘」も今年2月ごろから休館し、事実上事業を停止していた。