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櫻井家住宅の見学客急増 「VIVANT」ロケ効果鮮明に 島根・奥出雲

2023年9月25日
関西支社:土橋 孝秀

2023年9月25日(月) 配信

櫻井家住宅

 9月17日(日)に放送を終えたTBS日曜劇場「VIVANT(ヴィヴァン)」の島根県ロケ地の1つとなった同県奥出雲町の櫻井家住宅の見学客が急増している。

 櫻井家は、戦国武将・塙団右衛門の末裔家で、松江藩の鉄師頭取を務めるなど、たたら製鉄で栄えた。櫻井家住宅は1738年に建てられた母屋を中心とし、国の重要文化財の指定を受ける。

 ドラマでは堺雅人さん演じる主人公・乃木憂助の実家として描かれた。8月13日(日)放送の第5話で、阿部寛さん演じる警視庁公安部の野崎守が乃木家の現当主を訪ねるシーンが放送された直後から観光客が増え始めた。

 住宅に隣接する櫻井家の歴史資料館「可部屋集成館」の尾方豊専門員によると、平時は平日が数人、土・日曜日でも10~20人程度だが、盆以降の土・日曜日は100人を超え、平日でも数十人の見学客が訪れるという。1日600人を超える日もあった。

 9月10日(日)放送の第9話では、役所広司さん演じる乃木卓(ノゴーン・ベキ)が、「奥出雲は古来から米作りとたたらで栄えた地域」と言及。砂鉄採取の場所を稲作地に転用する仕組みなど、たたら製鉄が丁寧に描かれた。

 尾方さんは「若い人が明らかに増えた。ドラマでは奥出雲という名称をはっきり出してくれた。鉄とともに暮らしてきた当地の背景を、短い映像のなかで端的に表現してくれた」と喜ぶ。

 ロケは今年4月に行われ、堺さんや阿部さんらが参加した。堺さんは以前、大河ドラマ「真田丸」で真田幸村を演じた際、櫻井家の初代当主である塙団右衛門役と共演した。現当主・櫻井誠己さんの妻の紀子さんによると、その話しを聞いた堺さんは驚き、隣接する資料館の中にある塙団右衛門の兜や鎧を見て回ったという。

 住宅には1803年に櫻井家に初めて松江7代藩主・松平治郷(不昧)公を迎えたときに造られ、現在は国指定名勝の日本庭園がある。阿部さんは以前、庭師の役をしていたことで庭園についての知識があり、櫻井家の庭園を見て「何もかも完璧!」と目を丸くしたという。

 櫻井紀子さんは「皆さん気さくで本当に人柄が素晴らしかった。堺さんに『おはようございます!櫻井さん!』と声をかけられたのが忘れられない」と振り返る。

 「放送後は赤ちゃん連れの家族が訪れるなど、あまりの変化にびっくりしている。元々見学客が多い紅葉シーズンがどうなるか想像がつかない」と嬉しい悲鳴を上げる。

撮影で使用された「上の間」(通常は入室できない)

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