全旅連青年部、自民党国会議員に要望書 「宿泊観光業に支援継続を」
2023年10月4日(水) 配信
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部(塚島英太部長)は9月22日(金)、自由民主党衆参両院の国会議員に宿泊観光産業に対する支援の継続を求める要望書を提出した。訪日外国人観光客数と国内旅行の需要がコロナ禍前まで回復する一方で、各地域ごとに濃淡があり、多くの宿泊施設が資金繰りに苦労していることから、提出に至った。
要望書では、多くの宿泊観光事業者が人手不足に苦しんでいることから、宿泊業の従事者や、就職を考えている国内外の若者に宿泊業で働くことの矜持を与えるために、国から「観光が我が国にとって大事である」や「宿泊産業が我が国の基幹産業である」などのメッセージの発信を求めた。
人手不足で稼働できない客室があり、利益を確保できていない施設も多いため、求職者と宿泊事業者とのマッチングイベントの開催や採用HP・パンフレットの作成支援など採用活動の支援を要求。さらに、人手不足の状況下でも高付加価値なサービスを提供できる体制を構築するため、清掃・配膳ロボットの導入費用のサポートも要請した。
宿泊施設での就業を望む外国人は多い一方で、採用者数が少ないことから、宿泊業技能試験センターによる特定技能試験や技能実習試験の円滑な業務の推進を求めた。配偶者の扶養に入るパート従業員が、一定の年収額を超えると扶養を外れて社会保険料の負担が生じ、手取り収入が減る年収の壁によって、働ける時間を制限されているとして、年収の壁問題の解決も要求した。
また、原油価格の高騰が続くなか、省エネ設備などの導入支援施策の継続を求めた。
全国各地で災害発生時に、宿泊施設に逃げ込む被災者が増えていることを踏まえ、従事員への事前研修の実施で大きな防災・減災機能の役割を発揮していくため、研修制度の創設への協力を要請。災害対応に資する設備への改修による価格転嫁は、宿泊客の理解を得られないことから、客室改修費を補助する宿泊施設バリアフリー化促進事業の災害協定枠の維持を要求した。
地域固有の伝統や文化に基づく魅力を生かした街づくりを行うため、高付加価値化事業の継続も要求。同事業のうち、廃屋の撤去へのサポートを強く要望。廃屋の撤去による宿泊費の値上げは消費者から理解されづらいことから、国による廃屋を生まない仕組みづくりの構築を求めた。