上諏訪街道、5年ぶりの呑みあるき 初の歩行者天国で実施
2023年10月29日(日) 配信
長野県諏訪市の酒蔵5軒を巡って日本酒を味わうイベント「上諏訪街道まちあるき呑みあるき」が9月30日に開かれた。2018年10月以来、5年ぶりに行われた。
諏訪五蔵が立ち並ぶ国道20号を初めて歩行者天国にして実施された。これまで国道の両側を呑みあるきの酔客が千鳥足で移動していたため、安全面が問題視されていた。今回は国道を歩行者天国にする新たな安全策が講じられて長年の課題がようやく解決したといえる。待ちわびた日本酒ファン約3000人が参加し、各蔵自慢の地酒やまちあるきを大勢の人が愉しむことができた。
国道20号沿いの酒蔵「舞姫・麗人・本金・横笛・真澄」の諏訪五蔵が一斉に蔵開きをして各蔵で試飲が楽しめるイベント。1998年から通算38回開催されたが、参加者の増加で交通安全対策が課題となり、2018年に一旦中止を決めた。20年3月に再開する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となった。
39回目の今回は、上諏訪街道21、諏訪五蔵会、諏訪観光協会、諏訪湖温泉旅館組合、諏訪商工会議所、諏訪市で実行委員会を組織。国土交通省長野国道事務所などの協力を得て、諏訪2丁目交差点から元町交差点近くまでの約500㍍を歩行者天国にして行われた。
参加者はJR上諏訪駅前のアーク諏訪で参加証のリストバンドを受け取り、寺院や神社、旧家が残る上諏訪地区を歩きながら会場へ向かった。イベントは木遣りを合図に始まり、5つのプラカップが収まる紙箱を片手に行列をつくり、秋の日本酒「ひやおろし」や大吟醸、限定酒など各蔵自慢の地酒を味わった。
国道沿いの駐車場スペースには地元住民による屋台や地元飲食店が販売する「おつまみ屋台」が出店して、会場を盛り上げた。
開会式では、実行委員長の金子ゆかり諏訪市長が「大いに飲み、歩きながら諏訪を楽しんでほしい」とあいさつした。上諏訪街道21の北澤光彦会長は「課題だった安全の確保は大きく前進した。これからは諏訪の魅力を発信していく方法を皆で考えていきたい」とアピールした。
JR上諏訪駅近くには5軒の造り酒屋が並び、地元では「諏訪五蔵」と呼ばれ、街の歴史や文化を大切にしながら地域の食文化を守り続けている。甲州街道沿いに軒を連ねる各蔵元を歩いて巡り、丹精込めた美酒を楽しむ名物イベントは大盛況のうちに幕を閉じた。