日本専門新聞協会、迅速・的確報道で持続可能な社会実現へ 第76回専門新聞大会開く
2023年10月20日(金) 配信
日本専門新聞協会(入澤亨理事長)は10月18日(水)、帝国ホテル(東京都千代田区)で「第76回日本専門新聞大会フェスティバル」を開いた。地政学リスクや生成AIの出現など産業界を取り巻く環境が大きく変化し、経済・社会の先行きが不透明となるなか、迅速・的確な報道に徹し、持続可能な社会の実現に寄与していくことを確認した。
第1部の時局講演会では、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦氏が「地政学と⽇本の⼤戦略」をテーマに登壇した。
宮家氏は地政学について「史実から将来似たようなことが起きたときの対応を考える1つの手段」とした。
ウクライナ危機におけるロシア・プーチン大統領の行動を例に挙げ、「独裁者ほど正しい情報が得られず、判断ミスによって戦争が始まる」と持論を展開した。
第2部の式典は、石井貞德大会副理事長の開会あいさつでスタートした。
入澤理事長はメディア業界の現状について、「生成AIをはじめとする日々進化し、大きく変容する情報通信技術の洗礼を受け、大変難しい環境下にある」との認識を示した。そのうえで、「当協会は少しでも加盟社の皆様にとって魅力的な価値ある協会を目指す」と述べた。
来賓の高市早苗経済安全保障担当大臣は、内閣府特命担当大臣としてクールジャパン戦略の政策も講じていることに触れ、「(専門紙は)アニメやゲーム、日本が誇る食品を海外に展開する政策を掘り下げ、広く伝えている」と謝辞を述べた。さらに、「ビジネスの成長による日本の発展に貢献してほしい」と呼び掛けた。
第30回写真コンクールの表彰式では、1048点の作品の中から19点が受賞した。併せて、専門紙の普及と使命をアピールする第76回新聞週間キャッチフレーズの入選作3点を発表した。このうち、優秀作には「激動の 時代の潮流 読み解いて 未来へつなぐ 専門新聞」が選ばれた。
第3部では、4年ぶりにレセプションを開催。来賓として出席した公明党の山口那津男代表は国会での質問に専門紙を活用していることを話し、「専門分野の情報がないと、まともな質問はできない」と専門紙の意義について語り、「ますます情報を提供し、発展していくことに期待を寄せている」と話した。