岩国錦帯橋空港などでスマホ教室開催へ KDDIとANAあきんどが搭乗疑似体験など実施
2023年10月27日(金) 配信
山口県岩国市(福田良彦市長)と同県・和木町(米本正明町長)、KDDI(髙橋誠社長兼CEO、東京都千代田区)、ANAあきんど(原雄三社長、東京都中央区)は11月と12月に、岩国錦帯橋空港など3カ所でデジタルサービス体験型のスマートフォン教室を開く。基本操作のほか、オンラインチェックインや2次元バーコードを使用した搭乗の疑似体験などを行い、地域でのデジタルサービス利活用を促進するのが狙い。
4者は10月27日に東京・銀座のKDDI施設「GINZA456」で会見を開き、取り組みを紹介した。
KDDI経営戦略本部の江幡智広副本部長によると、同社は通信事業者として「つなぐ」ことを使命に掲げており、「心をつなぐ」ために安心で豊かなデジタル社会の構築を目指しているという。2024年度末までに累計1500万人のデバイド(格差)解消を掲げ、スマホ利活用によるデジタルデバイド解消で、誰でもデジタル化の恩恵を受けられるよう車両型出張auショップや自宅訪問型スマホ教室などの取り組みを実施している。
内閣府の2021年度の通信利用動向調査によると、60代のスマホ所有率は8割を超え、70代でも6割を超える一方、利用用途は電話やメールなどの連絡がメインで積極的な利用には至っていないのが実情だ。
他方、21年度内閣府高齢化白書では、60歳以上の必要とする情報や生きがいを感じるものの上位に「旅行」が挙げられていることから、今回は「旅行」に注目し、デジタルサービス体験型スマホ教室を開催する。昨今、航空業界でもオンラインチェックインやオンラインツアーなどデジタルサービスが拡大しており、誰にでも活用してもらえる環境整備が求められている。今回の体験をきっかけにオンライン行政手続きなど、多方面のデジタルサービスの活用促進を目指す。
地域創生に向け、観光振興や産農振興を柱に事業を展開するANAあきんどは、山口県から「山口県型ワーケーション」の推進事業を受託。ワーケーションプログラムを展開するなかで、デジタルデバイド解消への取り組みの重要性を再認識したことから、今回の取り組みに至ったという。池田暢也地域創生部長は「エアライングループならでは取り組みとして、利便性の向上や地域課題の解決に努めていく」とした。
地域側は事業主体となり、開催場所の提供や参加者の募集などを行う。山口県の両自治体は空港や鉄道などへのアクセスがよく、旅行を趣味とする人が多いことから、今回は錦帯橋空港などで教室を実施する。
KDDIとANAあきんどは今回の教室の効果検証などを行い、今後に生かしたい考え。