航空機の迫力全身で 非公開エリアをバスで巡る成田空港スペシャルバスツアー(グリーンポート・エージェンシー)
2023年11月13日(月)配信
成田空港の非公開エリアを巡るバスツアーが人気を集めている。
貨物地区や整備地区、滑走路の近くをスカイバスで巡る企画で、屋根のないバスを使用することで航空機の迫力を全身で体感できるのが魅力。
普段は入ることができないランプセントラルタワーの展望室から空港全体を見学する時間もあり、その特別感で多くの人を引き付けている。
グリーンポート・エージェンシー(千葉県成田市)の実施する「成田空港スペシャルバスツアー」をまとめる。
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「成田空港スペシャルバスツアー」は通常立入禁止のエリアを、日の丸自動車興業のスカイバス(屋根のない2階建てバス)で巡る企画で、「普段ではできない体験」をコンセプトとしている。同ツアーでは、ランプセントラルタワー内地上約44㍍の高さにある展望室から、空港全体も観察。制限区域内ではバスから降車し、航空機の離発着のようすも見ることができる。
ツアー中はバスガイドがフライトレーダーを常に確認し、特別塗装機や全日本空輸(ANA)のエアバスA380型機「FLYING HONU」などの特別な機体を最適な位置から見られるように柔軟にコースを変更するなど、参加者の満足度を高めるための仕掛けも用意。車内ガイドの内容にもこだわり、日の丸自動車興業のガイドの空港や航空機の解説を通じ、より深い体験へと昇華させている。
「成田空港スペシャルバスツアー」は、新型コロナウイルス感染症の流行拡大によって成田空港利用者が激減している状況のなか、航空旅客以外の誘客をはかるために、成田国際空港(田村明比古社長)とグループ会社のグリーンポート・エージェンシーが中心となり企画された。
スタートした2020年度は53本のツアーを実施し、約1700人を集客。参加者は航空機ファンからファミリー層まで幅広く、ツアーのために北海道や宮古島など遠方から足を運ぶ人もいるほどの人気で、今でも新たにコースを発売すると、即日完売となるという。
グリーンポート・エージェンシーでは、通常のバスツアーに加え、空港関連事業社や周辺地域と連携したツアーも企画している。空港関連事業社や空港周辺地域を盛り上げることが狙いで、これまでに日本航空(JAL)国際線ビジネスクラスの機内食が楽しめる企画や、JAL成田航空機整備センターの特別見学などを組み合わせたツアーも行っている。
周辺市町の観光資源の魅力の発信を目的に、香取市佐原の観光とセットになったツアーも実施している。
同社は今後、「成田空港スペシャルバスツアー」を教育旅行に活用する考えも示す。
航空会社と連携し、実際に運用されているチェックインカウンターを活用したアナウンス業務や案内業務体験、貨物事業者と連携した物流の仕組みを学ぶプログラムなどを通じ、空港従事者の減少の課題解決や、子供たちの職業選択のきっかけにつなげることが目的。教育旅行に加え、最終便や始発便を見送るツアーや、グランドハンドリングと組み合わせたツアーなど、高付加価値型のツアーも追求していく考えだ。