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KNT-CTHD連結第2四半期、8四半期連続で黒字 営業利益は33億600万円

2023年11月17日
編集部

2023年11月17日(金)配信

決算会見のようす。三宅貞行専務(左)と小山佳延専務

 KNT-CTホールディングス(米田昭正社長、東京都新宿区)が11月9日(木)、2024年3月期第2四半期(23年4月~9月)の連結決算を発表した。これによると、売上高が前年同期比16.7%増の1245億1600万円、営業利益が同63.2%増の33億600万円、経常利益が同38.2%増の34億9300万円、当期純利益が同7.5%増の27億5700万円。21年度第3四半期以降、8四半期連続で黒字を達成した。

 国内旅行は新型コロナウイルス感染症の5類移行後、行動範囲の拡大で旅行機運が高まり、全国旅行支援も相まって回復傾向となった。個人旅行では、夏の定番方面である北海道、沖縄などが人気を博し、クラブツーリズムの添乗員付きツアーでは、全国各地でコロナ禍後に通常開催となった夏祭りや花火大会関連の商品販売に注力。団体旅行では、企業系コンベンションや報奨旅行の取り扱いに力を入れた。

 訪日旅行は日本入国時の水際措置の撤廃、円安基調が牽引し、堅調な回復を推移。バケーションシーズンの個人旅行者向けオンライン宿泊販売が好評で、団体旅行は世界大会の事前合宿や大型国際会議、ワークショップの取り扱いに注力した。

  一方、海外旅行は原油価格の高止まり、円安基調による旅行代金の高騰や旅行先の物価上昇、航空機の座席供給数不足などが影響し、回復に遅れを見せているとした。個人旅行では、クラブツーリズムの添乗員付きツアーのヨーロッパ方面やビジネスクラス利用商品、1人旅の販売に注力。団体旅行はスポーツ競技団体の遠征や企業の視察旅行、学生の語学研修旅行の需要獲得をはかった。

  このほか、今年4月に個人旅行のWeb販売専門会社「近畿日本ツーリストブループラネット」を設立。近畿日本ツーリストと近畿日本ツーリストコーポレートビジネスの団体旅行部門を統合し、団体旅行事業の強化に努めた。新規事業としては、昨年からの学校業務アウトソーシングサービスのほか、アドベンチャートラベルなどの旅行や観光から派生する地域共創事業に関する取り組みも開始した。

 費用面について、三宅貞行専務はコロナ禍に人件費や事務所賃借料、販売費などの費用圧縮を実現できたと言及。「コロナ禍前18年度比で約125億円を削減。ここ数年の営業利益の創出につながっている」と述べた。

 通期連結業績予想は、今年6月に公表した予想数値を据え置く。売上高が同1.6%減の2482億円、営業利益が同69.3%減の35億円、経常利益が同71.0%減の35億円、当期純利益が同74.6%減の30億円をそれぞれ見込む。

過大請求問題の進捗、規模は最大34自治体に

 あわせて、子会社の近畿日本ツーリストによる新型コロナウイルスワクチン関連の受託業務での過大請求について、疑義のもの含め最大34自治体、最大6.5億円になったと明かした。前回9月に発表した最大37自治体、最大約7億円から減少したが、自治体などとの協議は継続中で、最終的な総額は未確定。これまで24自治体に約4億5100万円を返納した。

 過大請求問題で複数の自治体から指名停止を受けた影響について、小山佳延専務は「震源地となった大阪を中心に一部地域の指名停止期間が長期となり、来年度以降に影響が出てくる可能性がある」と説明。信頼回復に向けて「指名停止を真摯に受け止め、一生懸命取り組む」と答えた。

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