茨城DC体験ツアー、「体験王国いばらき」を巡る
2023年11月23日(木)配信
茨城県やJRグループなどが一体となって取り組む大型観光企画「茨城デスティネーションキャンペーン(茨城DC)」が、10月1日に開幕した。茨城県開催は21年ぶり。「体験王国いばらき」をキャッチコピーに、「アウトドア・食・新たな旅のスタイル」をテーマとした“想像越え”の特別企画やイベントを取りそろえ、茨城の魅力を全国に発信する。これに先駆け、9月27~28日にメディア・旅行会社向けの体験ツアーを県内で実施した。
1日目の昼過ぎ、茨城県筑西市のJR下館駅に集合し、貸切バスで約10分移動すると、100万平方メートルのテーマパーク「ザ・ヒロサワ・シティ」に到着した。茨城DC期間に限定で販売している特別プランから、同施設が用意した新コンテンツを体験してきた。
広大な敷地を誇るザ・ヒロサワ・シティには、建築家・隈研吾氏が設計した廣澤美術館をはじめ、農園やゴルフ場、レストランなど多種多様な展示・レジャー施設が用意されている。今回の体験ツアーは、敷地内で一般公開に向けて整備中の乗り物・テーマパークエリア「ユメノバ」の見学からスタートした。茨城DCの特別プランでは、ユメノバの先行公開が含まれている。
約6万平方㍍の敷地面積を誇るユメノバ内の科博廣澤航空博物館には、戦後初の国産旅客機「YS11」の量産初号機を筆頭に、南極観測隊で使われたヘリコプター「シコルスキーS―58」や通称「零戦」と呼ばれる零式艦上戦闘機などを展示。昔懐かしい名車が勢ぞろいしたクラシックカーミュージアム、クラシックバイクミュージアムなどもあり、世代を超えて人々を魅了した歴史的な乗り物を鑑賞できる。
とくにユメノバ内のレールパークでは、JR東日本の新幹線車両「E224―127」や蒸気機関車「D51」、寝台特急「北斗星」など有名な車両が、今でも走り出しそうな臨場感を感じる状態で展示されている。車両一部は車内見学もでき、ツアー参加者は乗車しての写真撮影を楽しんだ。
ザ・ヒロサワ・シティの敷地内は、テーマパーク・観光部門を統轄する広沢商事の野口稔夫専務が先導し、展示物の説明や歴史について詳細に案内した。
このほかにも、茨城DCの特別プランで限定公開する、今年5月に3億円で落札した豊臣秀吉ゆかりの品という説がある伯爵家伝来の名宝「金茶道具一式」を披露した。緊張感が漂うなかで、優雅さと気品を湛える黄金色に輝く10点の茶道具を1点ずつ紹介した。
□夜は「北斗星」に宿泊、夕朝食は食堂車で堪能
茨城DCの特別プランには、かつて青函トンネルを往復していた寝台列車「北斗星」を利用した「北斗星ユメノバ」に宿泊できるプランも用意している。当日は実際に宿泊し、宿泊プランと同様な時間を体験できた。
食事場所は朝食、夕食ともに北斗星内の「グランシャリオ車両(食堂車)」。電球色の温かみのある照明による車内で懐かしさを感じつつ、宿泊者限定で用意された特別な弁当を堪能した。
泊まりは食堂車に隣接した個室寝台車に宿泊。空調設備から出る音がまるで走行音を演出しているかのように感じられ、実際に走行する寝台列車に宿泊しているような疑似体験を味わえた。
□2日目は竜神大吊橋へ、知事がバンジー初挑戦
2日目は貸切バスで移動し、午前9時30分ごろ常陸太田市の竜神大吊橋に到着。10月1日から始まる茨城DCの成功を祈願して、龍の伝説があり開運スポットとされる竜神大吊橋で、茨城県の大井川和彦知事がバンジージャンプに初挑戦した。
竜神大吊橋は橋の長さ375メートル、ダム湖面からの高さ100メートルと、どちらも日本最大級を誇る。まずは橋の近くに設けられた祭壇で、大井川知事は宮田達夫常陸太田市長と企画の安全を祈願。天神ばやしの演奏に鼓舞されながら、ジャンプ台のある橋中央へ向かった。
準備を整え、ジャンプ台に身を乗り出した大井川知事は、大声で「全国の皆さん、茨城県に来てくださーい!」と叫び、間髪入れずに綺麗なフォームで飛び立った。
歓声や拍手で迎えられながら、橋に戻ってきた大井川知事は「心臓が破れるかと思うくらい迫力があった。茨城県の観光体験の1つとして、全国あるいは世界にアピールしていきたい」と笑顔を見せた。
昼食は、竜神大吊橋から車で約10分の場所にある石臼挽き手打ちそばの店「慈久庵」で、郷土料理の古式けんちんそばセットに舌鼓を打った。
□草花でブーケ作り体験、いばらきフラワーパーク
最後は、石岡市の「いばらきフラワーパーク」で、茨城DCの特別プランでも企画されている自身で摘んだ草花を使ったブーケ作りを体験した。
同園は1985年に県営としてこれまで開園してきたが、民間委託となって2021年4月にリニューアルオープン。県花であるバラが900種以上3万株も植栽されているほか、年間100の豊富なアクティビティを提供している。
ブーケ作りは、時間があっという間に過ぎていったと思うくらい夢中になれたのが、何よりも自身の新発見となった。
2日間にわたり、茨城DCの特別企画の一部を体験し、キャッチコピー「体験王国いばらき」を体感できた。このほかにも茨城で今まで体験したことのない思い出づくりとなる新観光コンテンツを多数用意。詳細は茨城DC公式サイトから。