「ZOOM JAPON(ズーム・ジャポン)(11月号)」
2023年11月25日(土) 配信
□特集&主な内容
本誌では、ここ数年は秋になると日本の食文化の特集をしています。昨年は、味噌と醤油を取り上げましたが、今年は、日本の菜食主義の現状を伝えています。他の欧米諸国同様に、動物愛護や環境保護の考えから、フランスでは菜食主義が拡がっていて、フランスから見れば日本は遅れているようにも見えます。しかし日本でも、着実に現代的な菜食主義が拡がっている現状を取材しました。日本の場合、歴史的には、仏教由来の精進料理だけではなく、普茶料理もあることは、フランス人読者にとっても興味深いでしょう。自身もベジタリアンで、食文化に詳しいジャーナリストの加藤裕子さんからは、日本のベジタリアンやヴィーガンの現状を伺いました。イタリアンの能田耕太郎シェフや、京都静原にあるヴィーガンカフェの取り組みも紹介しています。
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□〈フランスの様子〉脱自家用車で救う家計と世界
日本でも、若者という消費者カテゴリーの車離れが語られるが、フランスでは、より根本的に自家用車というモノのあり方が問題にされている。◆すでに20世紀後半から、1人の移動に1台の自動車を使うのは環境的にも経済的にもおかしいという問題意識があったフランスでは、インターネット以前からも存在したライドシェアも、スマホの発達でさらに拡がり、さらにこの1年でも利用は倍増している。◆コロナ禍を経ての生き方や働き方の見直し、そして年々高まる環境意識の高まりも、個人の自動車利用の減少を加速させている。◆ルパリジャン紙が取り上げたように、地方鉄道の利用も上昇傾向にあり、自家用車の所持や利用が減っているのは都市部だけではなく、フランス全土の傾向だ。◆しかし、フランス人が車を手放す一番の動機は、ガソリン代や維持費の高騰だ。◆それでも、専門家によると、この変化はフランス人の生き方の根本的な変化で、万が一、ガソリン代が値下りしても、一度車を手放したフランス人は再び車を所有しないだろうという。
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フランスの日本専門情報誌「ZOOM JAPON」への問い合わせ=電話:03(3834)2718〈旬刊旅行新聞 編集部〉