国際観光施設協会70周年 利他の公益活動でスタートアップ
2023年11月24日(金) 配信
国際観光施設協会(鈴木裕会長)が11月、創立70周年の節目を迎える。国際観光振興に寄与する技術をテーマに、CSV活動を行う「インキュベーションプラットフォーム」としてさまざまな取り組みを推進する同協会。
11月27日(月)に開かれる記念公演を前に、これまでの歩みと今後の展望を鈴木会長に聞いた。
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国際観光施設協会は、ホテル・旅館の計画・建設など観光に関わる技術分野の企業や専門家の集団です。
これまで、海外の一流ホテルの設備の調査研究から始まり、観光施設全体、さらに面としての観光交流空間、そして物理的空間だけでなく、観光情報空間へと活動対象は広がっています。
こうした流れのなか我われは、原点に戻り協会の社会的使命を再認識し、CSV(Creating Shared Value)、「会員によし、協会によし、結果社会にもよし」の三方良しを活動理念に掲げ活動を行うと決めたことで活動領域が「エコ少」や「木づかい」、「UD客室」、「自動搬送機開発」「LINKED CITY」「フェーズフリー」「ウッドリターンコンペ」「観光施設耐震研究」「建築空間の研究」など多方面に広がり、活性し続けています。
その過程で、広範囲化した活動内容を「もの」「社会」「自然」へのホスピタリティに整理し、観光の本質はホスピタリティであるということに立ち返りました。
これまでの多岐に渡る活動は、「木づかい活動」からナニックが地元木材を活用した木製ブラインドのビジネスが生まれ、「LINKED CITY」の取り組みから100社を超える「LINKED CITYコンソーシアム」が誕生するなど、会員企業のビジネスに発展してきています。また、我われも沖縄ITイノベーション戦略センターと協定を結び、国と沖縄県の企業共創の中間支援団体として「LINKED CITY活動」を展開、沖縄で観光DXを推進しています。
一方、我われは、国際観光振興に寄与する技術をテーマにCSV活動を開始して軌道に乗せる「インキュベーションプラットフォーム」です。
ビジネスではない公益活動であるからこそ、実務的障壁に煩わされることなく、かつ利己でなく利他の精神で色々な開発が行えます。また、関係官庁との連携も容易に取れることから、トライアルアンドエラーでクイックに活動を展開してこられました。
今後もタイミングを逃さずにあらゆる可能性を試し、壊して再創造できるインキュベーションプラットフォームとして、利他である公益活動でスタートアップを行い、利己であるビジネスの世界に戻って利潤を追求するという社会モデルの普及を目指してまいります。