HIS、年末年始の海旅前年比163%増 コロナ前の5割まで回復
2023年11月29日(水) 配信
エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)が11月28日(火)に発表した、年末年始(2023年12月23日~24年1月3日)の海外旅行の予約状況によると、予約者数は22年11月15日比で163.8%増と大きく伸びた。コロナ禍前の19年同日比で約5割まで回復した。22年は19年同期比で2割程度。1年間で約3割改善している。
同社は「コロナ禍による直接的な影響はなくなったが、世界的な高インフレによる生活費上昇は沈静化していない」とした。さらに、原油価格高騰の影響による燃油サーチャージの上昇のほか、円安の進行で「多くの航空会社は2023年12月以降に発券する海外航空券を大幅に値上げする」という。
旅行先ランキングでは、1位が韓国・ソウル。次いで台湾・台北、アメリカ・ホノルル、タイ・バンコク、アメリカ・グアム、韓国・釜山、シンガポール、フィリピン・セブ島、オーストラリア・ケアンズ、フランス・パリと続いた。
韓国とケアンズ、香港、トルコ、サイパンの予約者数は19年同期を上回った。このうち、韓国のソウルが同13.7%増、釜山は同45.6%増となった。地方空港を含めた復便や増便による座席供給数の増加したことが主な要因。
セブ島とケアンズは原油価格が高騰しているなか、燃油サーチャージの掛からないLCCが就航するビーチリゾートとして需要が増えている。同社は「多様化するニーズや価値観と相まって新たな選択肢として、LCCは有効に捉えられている」と分析する。
平均単価は前年同期比2.0%減の19万2700円。19年同期比では12.2%増。燃油サーチャージの高騰などが影響した。平均旅行日数は前年と同水準の6.3日間。出国ピークは12月29日(金)、帰国ピークは1月3日(木)となっている。