持続可能な空港グランドハンドリングを ANAとJALが共同で取り組み
2023年11月29日(水) 配信
全日本空輸(ANA、井上慎一社長)と日本航空(JAL、赤坂祐二社長)はこのほど、労働力が減少するなか、持続可能な空港グランドハンドリングに向けて共同で取り組むことを発表した。地上で飛行機の移動などを行うランプハンドリングは同種の作業でも両社ごとに資格が必要だが、相互に承認する仕組みを検討する。仕組みの運用は2024年4月から開始する予定。両社は適正な競争を維持しながら、航空業界全体の生産性向上に向け、システムや施設の共有化など協力を深めていく。
今回の取り組みは、国土交通省が6月に公表した「空港業務の持続的発展に向けたビジョン」を踏まえ、地方空港のグランドハンドリング事業者の効率的な人員体制を整えるために実施する。
現状は、両社の委託先が同一のグランドハンドリング事業者でも各社ごとに作業資格が必要なものがあり、そのための訓練を要する。今後、両社が作業資格を相互に承認することで、どちらかの資格取得で両社の作業に従事することが可能になる。訓練期間は両社とも1年間のため、これまで計2年間必要だったものが1年間に大幅に短縮できる。訓練に必要な日数の削減など効率化をはかることで、繁忙の緩和を目指したい考え。
なお、委託先のグランドハンドリング事業者が同じ空港は利尻と根室中標津、函館、秋田、仙台、新潟、岡山、徳島、高知、鹿児島。