被災3県女将と意見交換、観光庁長官が南三陸訪問
観光庁の久保成人長官は6月9日、宮城県・南三陸温泉の南三陸ホテル観洋を訪れ、岩手、宮城、福島の各県の女将との意見交換会を開いた。意見交換に先立ち「語り部バス」にも乗車し、被災地の現状を視察した。
ホテル観洋の阿部憲子女将が今春、太田昭宏国土交通大臣と対談したことがきっかけで実現した。今回は7人が参加し、各地域の現状を報告した。
ホテル対滝閣(岩手湯本温泉)の大澤幸子女将は、旅行商品の開発や資材購入に共同で取り組む「いわて希望の宿ネットワーク」の設立など、震災後の取り組みを紹介。阿部女将は「1千年に一度の震災があった地は学びの場」と強調、「震災後意見を交わす機会が少なかったが、今回をきっかけに連携を深めたい」と意欲的だ。
久保長官は「地域の連携や、被災地の現状を再認識するツアーの必要性を改めて感じた」という。
太田大臣へ報告
6月24日には大澤女将、阿部女将のほか、意見交換に参加した雨情の宿新つた(いわき湯本温泉)の若松佐代子女将、割烹旅館天地閣(いわき市小名浜)の大平淑子女将の4人が、国土交通省を訪れ、太田大臣に今回の意見交換などを報告した。女将たちは、6月12日に大臣認定された7つの広域周遊観光ルートのなかに東北が選ばれたことにも触れ、「地域でさらに工夫を重ねたい」と伝えた。