おもてなし経営研究所 アル・ケッチャーノ奥田氏とのセミナー&トークセッション開催
2023年12月6日(水) 配信
おもてなし経営研究所(代表=西川丈次・観光ビジネスコンサルタンツ社長)は12月5(火)、6日(水)の2日間、東京都内で「特別ディナー付きセミナー&トークセッション『おもてなし講座』」を開いた。講師にアル・ケッチャーノのオーナーシェフ・奥田政行氏を招き、「おもてなし経営」についてトークセッションを行った。
奥田氏は、「日本におけるスローフードの先駆者」として世界で高く評価され、日本国内だけではなく、世界中から山形県・庄内へお客を呼び寄せている。
トークセッションでは、「お客様」「スタッフ」「生産者」「地域」4方向へのおもてなしをテーマに話した。
ゲストに対する接し方として、会話のスピードや呼吸を合わせて距離を縮めると、警戒や緊張させることなくコミュニケーションが取れることや、スタイルや会話の内容からゲストの出身地や気質を分析し、料理を細かく調整するなどの気配りも欠かさないと説明した。
奥田氏の出身地である庄内地方は「食の都庄内」として知られ、奥田氏は親善大使を務めている。
地元の生産者との厚い信頼関係により、常に庄内地域の良質な食材を使って料理を提供できるだけではなく、「食材にも、これを育む土地にも歴史がある。食材にストーリーを付ければ、畑も観光地となり、お客様がやってくる」と話した。
セミナーでは西川氏が登壇し、おもてなしの根幹について講演を行った。
2013年、東京オリンピック招致で「おもてなし」という言葉が使われたことをきっかけに、マナー講座が流行した。以来、日本のサービスの基準やハードルが上がったことで、スタッフがカスタマーハラスメントなどで離職してしまい人手不足に陥ってしまう問題も起こっている。
西川氏は、「サービス提供者は、自分の立ち位置を確認しなければならない」と呼び掛けた。店が提供するものとして、ラグジュアリーさ・感動体験・アットホームさ・必要最低限の機能──の4つに分けたとき、「店の立ち位置と、お客が求めるサービス水準を見極めることで、頑張りすぎてしまうことを防ぐ」と説明した。
セミナー終了後、奥田氏が営む「ヤマガタサンダンデロ」(東京都・銀座)を貸し切って、特別ディナー「カカオを使ったフルコース・世界の紅茶とのペアリング」が振る舞われた。