観光産業共通プラットフォーム本格運用へ 旅行業界のデジタル化目指す(JATA)
2023年12月8日(金) 配信
日本旅行業協会(JATA、髙橋広行会長)はこのほど、「観光産業共通プラットフォーム」の本格運用を始めた。災害情報の共有や、施設基本情報、営業情報通達などの3機能を備えている。このサービスによって、宿泊施設と旅行会社の業務を一元化し、業界全体の生産性を向上させる。
宿泊施設はこれまで、契約している旅行会社それぞれに、更新時期の基本情報の確認や、営業情報の発信、災害発生時の連絡対応などを行い、非効率な連絡体制を取っていた。プラットフォーム上で情報としてまとめ都度発信することで、生産性向上やDX化推進につながることが期待されている。
プラットフォームでは、宿泊施設が基本情報を随時登録・更新できる。施設名・所在地・電話番号・アクセスのほか、部屋数や部屋タイプ、事業者登録番号やキャンセル料など、約1300項目を保持する予定だ。
また、災害時の正確な情報集約・発信による混乱の回避や、風評被害の最小化による被災地の早期復興にも期待が寄せられる。
国内旅行推進部の野浪健一部長は、「各社に連絡・対応をする人員を減らせば人手不足の解消の手立てになるのでは。業界の生産性向上と、デジタル化推進を行う」と力を込めた。
システム利用料金は、旅行会社側に発生する。取扱額に応じて、月額1000円~100万円とし、JATAに所属していなくても旅行業登録を持つ旅行会社であれば利用できる。さらに、自治体やDMOも利用が可能。
現在は、宿泊施設が約5000軒、旅行会社83社がシステムを利用している。23年度中に、宿泊施設を7000軒、旅行会社や自治体、DMOのシステム利用200社を目指している。
今後は、多言語化などの機能拡張を検討していく。