交際費の非課税上限額1万円へ大幅に引き上げへ 全旅連などが精力的に要望
2023年12月13日(水) 配信
交際費の非課税上限額が5000円から1万円へ大幅に引き上げられる。
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(井上善博会長)は交際費の非課税枠の拡大へ向け、自由民主党や公明党などに要望活動や意見交換などを行ってきた。要求した内容は12月14日(木)、与党税制改正大綱に反映され、22日に閣議決定される見込み。
1990年代はじめには約6兆円だった企業の交際費は、近年は約3兆円まで半減。税制が飲食需要の拡大に水を差していることが指摘されるなか、コロナ禍でダメージを受けた宿泊業や飲食業の活性化が急務となっており、全旅連は青年部や、日本ホテル協会などと連携して要望活動を加速していた。
税法上、経費扱い(損金算入)できる交際費の非課税上限額は2006年以降、5000円となっている。このため、多くの企業は接待飲食費の額を社内規定などで1人5000円以下に設定している。
これまで経費の増額につながることなどを理由に、企業側(各種団体)の積極的な協力が得られなかった。加えて、法人税収の減収を理由に、財務省からゼロ回答という厳しい結果となっていた。
全旅連は今年6月26日、企業側への要望に交際費課税の緩和を盛り込むことを求めた。8月24日に、萩生田光一自民党政務調査会会長、30日に菅義偉前首相、31日に麻生太郎自民党副総裁へ要望。11月9日には、自民党の予算・税制等に関する政策懇談会と公明党の政策要望懇談会に出席。さらに、27日には日本ホテル協会と共同で田村憲久自民党政調会長代行との意見交換を行った。
要望活動で協力姿勢を示さない企業側との意見の取りまとめを求められたことから、全旅連は企業側と意見を交換。企業側も、物価上昇が持続する可能性などを考慮した。
井上会長は「少しでも組合員にプラスの影響があれば、うれしい。精力的に活動いただいた全旅連関係者に感謝したい」とコメントした。