「ZAOセンタープラザ」運営の蔵王サンハイム(山形市)が特別清算開始(帝国データバンク調べ)
2023年12月14日(木) 配信
「ZAOセンタープラザ」を運営する蔵王サンハイム(代表清算人=舩見勝氏、山形県山形市蔵王温泉)は11月27日(月)、山形地裁から特別清算開始命令を受けた。帝国データバンクによると、負債は約10億円。
同社は1976(昭和51)年9月に、酒店や土産品店の経営者数人の出資により、温泉旅館の運営を目的に設立されたあと、95年12月に公衆浴場や休憩室などさまざまな機能を備えた複合施設「ZAOセンタープラザ」にリニューアルした。蔵王スキー場の登り口である蔵王中央ロープウエイの駅に隣接した好立地のため、ピーク時には年間約1万5000人の宿泊客があった。
しかし、東日本大震災や蔵王山の噴火予知に伴う風評被害もあって、2019年8月期の年間収入高は約1億4000万円にとどまり、赤字を計上、債務超過に陥っていた。
さらに、新型コロナの影響で21年8月期の年間収入高が約8000万円に落ち込み、当期純損失約3100万円を計上していた。
その後、事業再構築補助金を活用してレストランを「そばカフェMONZA」に改装したほか、グリーンシーズン向けのオープンデッキスペースも設置。行動制限の緩和により、22年8月期の年間収入高は約1億1000万円に回復したものの、採算性の改善は進まなかった。
施設の老朽化や、後継者不在などから事業の継続を断念し、今年5月15日に事業を停止。メインバンクの同意のもとで私的整理を進め、不動産の売却などを行っていたが、債務の整理を円滑に進めるため、8月31日に拓いた株主総会の決議により、解散していた。「負債は22年8月期末で約10億円だが、変動している可能性がある」(帝国データバンク)という。