取消ツアーの総額100億円規模にも 石川県旅行業協会、能登地震による会員の営業状況を調査 1月10日(水)現在、3社と連絡取れず
2024年1月11日(木) 配信
石川県旅行業協会(越原裕一会長、63会員)は1月4日(木)、令和6年能登半島地震を受け、全会員に営業状況をヒアリングした。これによると1月10日現在、輪島市や七尾市など宝達清水町以北の会員で構成する能登地区の12社のうち、輪島市と珠洲市、穴水町にある3社と連絡を取れない状況が続いているという。堅田芳弘専務理事に詳しい話を聞いた。
内灘町を除く金沢市以南の地域では、古い建物にひびが入ったり、水道管が破損したが、被害は少なかった。このため、同協会に加盟する金沢と小松・加賀地区の多くの会員会社は通常通り営業している。また、ほとんどの観光施設と旅館・ホテルは平常通りの受け入れを再開した。
一方、会員会社に申し込まれた旅行は、ほぼキャンセルされた。県内の多くの企業には能登地域の在住者、または出身者が在籍しているため、自粛ムードが高まっているという。
集計できた会員38社で取消のあったツアーの総額は約10億円。同日現在、1~2月の予約が取消されており、3月以降のキャンセルや集計できていない会員を反映させた場合、100億円を超えることを予測している。
県を訪れる観光客は余震などを心配して、ほぼいなくなった。これらを踏まえ、同協会は被害の大きかった中能登町と志賀町以北の会員への見舞金の支払いと、生活に必要な物資を提供することを決めた。
堅田専務理事は「復旧後には、能登地域への送客で得られる手数料の一部を寄付する能登応援キャンペーンを行うことも考えている」という。
さらに来年度、全会員の会費を免除することも決定した。
堅田専務理事は「多くの会社は旅行の取消で、収入を得ることができない。コロナ禍からの回復途上のため資産も少ない。国や行政の金銭支援に期待したい」と話す。