「ホテル花天」運営のパインランド 負債は約5億円(帝国データバンク調べ)
2024年1月29日(月) 配信
パインランド(草野秀代表、福島県いわき市)は1月15日(月)までに事業を停止し、事後処理を弁護士に一任し、自己破産申請の準備に入った。帝国データバンクによると、負債は約5億円。
同社は、別法人のホテル「みさきプレステージリゾート」事業を継承し、新設分割により2011(平成23)年7月に設立された。事業の承継が東日本大震災の直後であったため、復興を担う工事業者の社員寮として機能させた。その後も、復興関連事業に関わる宿泊者を受け入れていた。
その後、13年6月からビジネスホテル形式で一般宿泊者の受け入れを開始したが、「原発事故の風評被害もあり業績が低迷」(帝国データバンク)。こうしたなか、16年10月にホテル名を「ホテル花天(かてん)」に変更し、窓から海を見渡せる景観や、弛緩効果の高い大浴場、トレーニングジムを有してグランドオープンした。
売上は損益分岐点を下回る状況が続いていたなか、新型コロナの影響も受けた。ファンドからの出資を受けるほか、値上げなどによって経営再建をはかり、23年6月期の年間収入高は1億4300万円を計上。しかしながら業況は改善せず、赤字計上が続いていた。借入金負担や燃料・食材などの物価高から厳しい資金繰りを強いられ、先行きの見通しが立たなくなった。