橿原市 新ご当地グルメ開発 日本チーズ使った26品
2024年2月2日(金)配信
奈良県・橿原市観光協会(中谷昌紀会長)はこのほど、市内に店舗を構える事業者と共同で、チーズを使った新ご当地グルメを開発した。橿原市が日本のチーズのはじまりといわれる「蘇」発祥の地であることにちなんだもの。市内18店舗が参画し、スイーツやピザなど、チーズと奈良県産食材を組み合わせた全26メニューが誕生した。
「蘇(そ)」は、牛乳を特殊な方法で長時間かけて煮詰めて作る乳製品の一種。橿原市にあった日本で最初の本格的な都、藤原京の時代に「蘇」が最初に作られた記録が残る。当時、牛乳は大変貴重で、栄養価も高かったため、長寿や美容の薬として貴族たちから重宝されたという。平安時代には、藤原道長や紫式部などが食したという記録も残っている。
新ご当地グルメ「かしはら Hi!チーズグルメ」は、焼いたり溶かしたりと、さまざまにアレンジ可能なチーズと、伝統的な大和野菜をはじめとする奈良県産の野菜や果物、ブランド肉などを掛け合わせ、各店それぞれが創意工夫して開発した。
1月19日には、市分庁舎(ミグランス)でお披露目会を実施。参加店が、それぞれ開発したメニューのこだわりや特徴をアピールした。
メニューは、カラフルなゼリーやクリームチーズ、県ブランドイチゴ「あすかルビー」などを層にして、表面にチーズクリームでアートを施した「飲むチーズケーキ」や、季節の県産野菜とモッツァレラチーズに、パウダー状の蘇をトッピングして高温の窯で焼き上げたピザ、三輪そうめんを鶏がらスープに牛乳、自家製味噌やクリームチーズを入れたスープで味わう新感覚のにゅうめんなど、どれも味はもちろん、見た目や食感などにもこだわった五感で楽しめる一品ばかり。ジャンルもランチやスイーツ、酒のお供など多彩で、あらゆる旅のシチュエーションに対応できる。
地元ではこれまで、名物と呼べるグルメが少なかったことから、同市では新たな魅力として広くアピールし、観光振興につなげたい考え。
□人気ゲームとコラボ観光周遊アプリ誕生
橿原市観光協会は同日、新ご当地グルメの発表にあわせ、人気ゲーム「ストリートファイター」とコラボした新たな観光周遊アプリも発表した。
橿原市は、同ゲームの制作会社「カプコン」の創業者が同市出身という縁もあり、2022年に同社と「地域活性化に関する包括連携協定」を締結している。今回のアプリ開発はその一環。
同アプリは、日本国はじまりの地である橿原市を、ストリートファイターのキャラクターとともに楽しむことができる橿原市公式の観光周遊アプリ。市内の観光スポットなどを訪れると、ゲームキャラクターのアートが入手できるほか、手に入れたコンテンツでAR写真も撮影できる。特定の場所やルートを巡らないと入手できないキャラクターがいるなど、ゲーム感覚で散策が楽しめるクエストも用意されている。
現在、iOS版、アンドロイド版ともに配信中。英語版も用意する。