日本専門新聞協会、新春講演会開く 日本総合研究所藻谷浩介氏「値上げし賃上げを」
2024年2月5日(月) 配信
日本専門新聞協会(入澤亨理事長)は1月25日(木)、東京都内で新春講演会を開いた。日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介氏が「日本の進む道―本当のところどの点がダメで、どの点が大丈夫奈なのか。そして生き抜くためどう対処したらよいかー」をテーマに講演を行った。
藻谷氏は「日経平均株価や名目GDP、税収は過去最高となり、日本経済の国際競争力は高い」と持論を展開。一方で「国内の給料が増えていないため、個人消費は伸びていない。国民の生活は苦しいままだ」との考えを示した。
そのうえで、「GDPの約50%を占める個人消費は物価高を除いて1998年から2023年まで上がっていない。(国民が豊かさを実感するための)対策は値上げによる賃上げだけだ」と語った。
また、インターネットでさまざまな情報が発信されていることに触れ、「チャットGPTで検索できる情報に価値はない。現場で取材した情報に重きを置かれる社会になるだろう」と話し、出席した加盟各社に「(新聞業界は厳しい時代だが)生き延びていただいて、正しい情報を流してほしい」とエールを送った。
講演会後には、レセプションを開いた。入澤理事長は「AIの進化に伴って、真実と偽りの情報の区別が難しくなるなか、我われは迅速、的確、公正を柱に据えてきた。読者から支持を受け続けるだろ」と話した。
「7月のパリオリンピックの開催で社会のマインドも大きく変わる。今年の干支の辰のように加盟各社が発展することを祈念している」と語った。