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奈良県、メディアに食文化紹介 歴史と食の新需要創出へ

2024年2月8日
編集部:木下 裕斗

2024年2月8日(木) 配信

会場のようす

 奈良県は1月22日(月)、奈良まほろば館(東京都港区)でメディア向けに奈良の食文化の魅力を伝えるイベント「食でめぐる奈良~奈良の食文化にふれる旅~」を開いた。歴史を組み合わせた食文化を紹介し、新たな需要を創出したい考え。

 奈良の食文化を語る有識者トークセッションでは、館内のレストラン「TOKi」を監修したakorduのオーナーシェフ川島宙氏と、かき氷店「ほうせき箱」社長の平井宗助氏が登壇。ガストロノミー研究所の杉山尚美氏が務めた。

 杉山氏は遣隋使や遣唐使などによって多くの文化が奈良に持ち込まれたことから、「奈良は日本の食文化のルーツ。一方で、宇陀市など豊かな食文化を持つ地域に行った人は奈良県民でも少ない」と話した。そのうえで「訪日外国人客が日本食を求めて来日するなか、文化を発掘できる場にしたい」と語った。

杉山尚美氏

 奈良の食の魅力について聞かれた川島氏は「神様に捧げる料理や、都の食事など歴史に焦点を当ててられる。万葉集や古事記の神様のお話からも料理を考えている」と話した。

川島宙氏

 平井氏は柿の葉ずしに社長として勤めていた経験から、「県南部は柿の葉など薬草発祥の地。柿の葉は殺菌や防腐、消臭作用が働くため、江戸時代には塩さばとご飯を保存するなど、昔の人の知恵として使われた」と当時に思いを馳せられることを紹介。地域の名産品で柑橘類の大和橘について、「約2000年、垂仁天皇の忠臣田道間守が、海の彼方にあったとされる想像上の国『常世の国』から不老長寿の薬として持ち帰った」と話した。

平井宗助氏

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